土方陣営の天才剣士ちゃん【ゴールデンカムイ】

第二十話 ページ22

理髪店

尾形)署長は馬吉にこの宿場町の賭場のナワバリを奪い取らせて賄賂をいただこうって話かい？

山本)それがな狙いはそれだけじゃなさそうなんだよ。署長は日泥一味が持っている何かが欲しいんだとか…

江尻)腕の立つお侍さんってのはどこにいる？

山本)これはこれは署長さん…！その三人ならしばらく前に出ていきましたよ。

江尻)まさかもう日泥に囲われてないだろうな？見かけたら署に来るように伝えろ。そこのチンピラも初めて見る顔だな？

江尻)俺の宿場町に来たばっかりなら悪いことは言わん馬吉のところへ行け。日泥の用心棒に混ざっているのを見つけたらタダじゃおかんぞ。

尾形)…(ニコッ)

ブスッジョギッ(署長の顎に鋏を刺し斬る)

江尻)ういいッ

手下)北鎮部隊！？

尾形)ケツアゴ署長に聞きたいことがある。


理髪店前


新平)なんだか床屋の前が騒がしいな。

ガラッ(尾形が出てくる)

沖田)尾形さん!？

土方)知り合いか？

沖田)前に杉本さんに襲われた軍人さんです。

バッドンッカァァァン(尾形がやぐらの鐘を撃つ)

馬吉)あんな遠くのやぐらの鐘に…

ジャキッドンッカァァン(もう一度撃つ)

新平)なんてウデしてやがんだ

沖田)わぁぁ…凄いですね！土方さん!

尾形)ははッ

馬吉)先生！！こちらです。

沖田)怪我もばっちり治ってますね

土方)あの男が鳴らした鐘の音は…事態を大きく動き出す合図だ

新平)お侍さん!妾の身柄を隠すの手伝ってくれ！あんな奴じゃ何人護衛をつけてもやられちまう！

永倉)さらわれたところであのおっ母が取引に応じるとは思えんな？

新平)そうさ！あの刺青はおっ母が隠してるんだ、おっ母は妾なんて見捨てるにきまってる！だから困るんだ！

新平)誰も知らんが実を言うと妾が身籠ってるのは俺の子だ！親父は自分に子種が無いことを知らん。

新平)俺はおっ母が漁師と浮気して出来た子だとこっそり教えてくれた

永倉)大した女だな、お前のおっ母は。

沖田)こだね？こだねってなんですか土方さん。

土方)そのことはすっかり忘れろ総司、剣の腕が鈍るぞ。

沖田)忘れます！僕もう綺麗さっぱり忘れましたよ土方さん！

土方)それでいい

新平)女はあの家だ。護衛の手下は五人いる。

新平)おら急げッ千代子を連れてこい！よそへ移せとオヤジが言ってるんだよ！

手下)は…はい。

沖田)変わり身早いですね、あの人

土方)総司、一つやることがある

沖田)あ、はい。何となく察しました。了解です。

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