奪いに来てよ、実弥。

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『優くん、私…っ。』

全て話そう。そう思った時だった。




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｢…言わなくていいよ、A。

多分俺、大体想像ついてる。｣




ー多分俺、大体想像ついてる。



その言葉にハッとして顔を上げると、
優しすぎるほどの顔をした彼。






｢…なんで、って顔してるね？

クスッ…A、顔に出やすいからさ。

なんとなく察しちゃったよ。｣


伊達に1年以上一緒にいないよ？と明るく言う彼に、





『ごめんなさいっ………私、私っ…』


と謝ることしかできない。





こんな素敵なレストランに
連れてきてもらっているのに。
周りから“何あれ”と思われてしまうのに。



私の目から溢れる涙は止まることをしてくれない。



何故、そこまで私を想ってくれるの？

私はあなたを裏切ったのに。
あなたに、大事にしてもらう資格なんてないのに。






なぜ、そんなに優しいの。






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｢それでも、君と生涯を共に生きていきたいんだよ｣





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そう言う優くんは、
どこまでも優しく、器の大きな人だった。





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