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【砂彩】*ビターチョコレートは嫌い?* ページ4

「なぁ、アーヤ。ビターチョコレートは嫌いか?」

「・・え?」

砂原の意外な質問に、私は一瞬驚いた。
ビターチョコレート。
私がチョコレートを食べるときは大体ミルクだけど・・。

「いや、難しく考える必要はないぜ。まぁ、アーヤのそういうところ好きだったりするけど」

「ビターチョコーレート・・私は、普通に好きかな。ミルクのほうをよく食べちゃうけど、少し苦味があって良いよね」

「だろ?店に並べられてるのって、大体ミルクなんだよな。俺も、ミルクとビターだったら、迷わずミルクを手に取るけど」

確かに、砂原の言うとおりかも。
ビターが嫌いなわけではないけれど、並んでいたらミルクのほうを手に取っちゃうもんね。


「俺さ、時々思うんだよな。俺って、ビターチョコレートと同じなんじゃないかって」

「・・どうして?」

「俺、きっと万人から好かれるタイプじゃないと思うんだよな。嫌いじゃないけど、別に好きでもない。そーいう風に取られてる気がするんだよね」

砂原はそう言って、笑った。
反論するべきなんだろうけど、確かに砂原は少しだけ不良じみた言動をとって、最初だけは私も彼が苦手だった。
でも、それは私だって一緒。どちらかというとそんなには嫌われていないだろうけど、それでも決して好かれてはいない。

「それって、嫌われるよりも寂しい立場なんじゃないか、って思った。嫌いと好きは相対で、嫌いな人に対する意識の量と好きな人に対する意識の量は紙一重なんだ。つまり、どちらでもないのは、自分が大して認知されていない・・つまり、どうでもいい人間なんだ」

その考えはなかったな・・。
私もクラスの皆からすればどうでもいい人間だったのかもしれない。

「だから、アーヤ。俺、アーヤに意識されてるって、すげー嬉しいんだ。自分が誰よりも感情を寄せている人間に認識されてるってことが、何よりも嬉しい。俺がアーヤを好きで、アーヤも俺のこと好きでいてくれてさ」

「わ、私も砂原と一緒にいられて・・そして、砂原に、その好きでいてもらえるの、嬉しいよ」


「だからさ・・アーヤ。俺、KZには負けない。バレンタインの本命、もらえるようにするからさ」

バレンタイン、かぁ・・。砂原の笑顔を見ながら、私もそれに負けないくらいの笑顔を作って、言った。

「ビターチョコレートのケーキを作って、待ってるからね」

【上彩+黒】*最近、アーヤと上手くいってるか?*→←【小彩】*変わらなくても、良いんだ*



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さまー - アーヤが美門って呼んでるから翼って読んでて欲しいです! (5月24日 20時) (レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
pua - 砂彩書いて欲しいです!ホント面白いです!わたしもこう書けるようになりたいっ! (2021年5月18日 13時) (レス) id: b5e633d6ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆっゆっち - 黒彩もっと見たいです!体に気を付けて頑張ってください (2020年7月5日 20時) (レス) id: 14eff17734 (このIDを非表示/違反報告)
間葉 - 黒彩がみたいです! (2019年3月29日 23時) (レス) id: 8e4a69fdea (このIDを非表示/違反報告)
mimiko(プロフ) - すごく面白いです!美彩の作品をもっと読みたいです☆更新頑張ってください☆ (2018年3月25日 17時) (レス) id: 5555f18d7d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フルグラ | 作成日時:2017年10月27日 16時

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