【小彩】＊変わらなくても、良いんだ＊ ページ3
「久しぶりに再会できて、良かった。何年ぶりか分からないし・・惜しい気持ちもある。だが、時間は有限。リーダー若武を持って、ＫＺミーティングを終了する！」
涙で顔を濡らしながら、若武がそう告げた。
数年ぶりにＫＺで集まることができたことに意味はあるのだろうけど、その時間は本当に短かった。
若武はサッカー選手、上杉は数学教授、黒木は国際的事業のエリート社員、アーヤは小説家で、僕は海生物研究グループの一員だから、時間あわせが難しかった。
「皆、思いの外変わっているものなんだな。若武でさえ、何となく丸くなってて、俺安心した」
「ちょ、上杉！それはどういう・・！」
「大人になった、ってことだろう。若武も上杉もアーヤも小塚も、確実に成長しているからな」
他愛のない会話。僕は、そんな空間が何よりも好きだった。
でも、３人は忙しい仕事がもっているため、長くはいられず、別れを告げて消えていってしまった。
取り残されたのは、僕とアーヤだけだった。
「あの・・小塚、くん」
アーヤがこちらを見た。ＫＺ全体を見渡していたから気付かなかったけれど、アーヤは確実に成長していた。・・何というか、綺麗になっていた。前も綺麗だったけど、それ以上に。
「皆、成長してたね。本当、時間ってすごいんだなぁって思ったもん」
「本当。僕も、それは感じてたよ。」
「小塚君も、本当に大人っぽくなったね」
アーヤは笑う。以前ならそれを素直に可愛いという単語に表せれたけど、なんだろう・・物凄い、胸がドギマギする。心を射抜かれたみたいに。
「いや、僕の場合は見た目は変わったかもしれないけど、それ以外変化を自覚できなくて・・」
僕がそういうと、アーヤはすかさず言った。
「変化、ってそういうものじゃないかな。自分では、自覚できないものだよ」
「そうかな、。だったら、アーヤも変わったよね。何というか・・前は可愛いって感じだったけど、今は綺麗って感じだもん」
「あ、ありがとう・・。・・・・、こうやって軽く褒められるようになったのも大きな変化じゃないかな？」
「確かに、そうかも。アーヤも、昔と比べて色々切り込むようにしゃべれるようになったもんね。僕は、それ良いと思うよ」
時は過ぎて、アーヤも僕も変わった。変わったはずだけれど、僕の彼女への気持ちが変わっていないのは、何でだろう。
――どうか、この気持ちだけは変わりませんように。
大人って、難しい生き物だ。
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さまー - アーヤが美門って呼んでるから翼って読んでて欲しいです！ (5月24日 20時) (
レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
pua - 砂彩書いて欲しいです！ホント面白いです！わたしもこう書けるようになりたいっ！ (2021年5月18日 13時) (レス) id: b5e633d6ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆっゆっち - 黒彩もっと見たいです！体に気を付けて頑張ってください (2020年7月5日 20時) (レス) id: 14eff17734 (このIDを非表示/違反報告)
間葉 - 黒彩がみたいです！ (2019年3月29日 23時) (レス) id: 8e4a69fdea (このIDを非表示/違反報告)
mimiko(プロフ) - すごく面白いです！美彩の作品をもっと読みたいです☆更新頑張ってください☆ (2018年3月25日 17時) (レス) id: 5555f18d7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フルグラ | 作成日時：2017年10月27日 16時
