11 ページ13
『晩…飯、ですか?』
「どうせ今日も夜はカロリーメイトなんやろ。」
じとっと睨む北さん、ちょっと怖いけど何か可愛いなぁ…。
ってそこやないわ、あほ。
『え?私が?北さんの家に伺うってことですか?』
「せやで。んで、ご飯食べて貰う。」
いやいやいやいやいや待って。
『何言うてはるんですか!そんなん迷惑かけるにも程があります…!』
「そっちが何言うてんねん。不健康な生活聞いてほっとけるかいな。どうせ侑と治のことやから心配してへんやろ。」
『まぁそりゃそうですけど、…ってそうやなくて!タダでご飯食べさせて頂くなんて出来ませんよ…親戚でも家族でもあらへんのに…。』
「心配せんでも、部員何人かはよう俺ん家で飯食べて帰ったりしとる。」
『いや!私部員でも何でもありませんよ!あかん…何かささやかなもん買わんと…』
ほな、と北さんがぴんと人差し指を伸ばす。
「婆ちゃんの話し相手になってや。」
『……すみません、さっきから頭ついてきてません。』
まぁでも仕方ない、北さんがここまで言ってくれとるんやから今日くらいええよね。
『すみません、じゃあお邪魔してもいいですか?』
「物分りが早くてよろしい。」
北さんは何やら嬉しそうだった。いやもうほんと申し訳ない…
お母さんには、先輩と言ったら怪しまれるからクラスメイトと適当に誤魔化しておいた。
仮にね、あの2人に聞かれたらまずいから。多分無いとは思うけど。
.
『北さん、家日本家屋やったんですね。』
「せやねん。ほな入ろか。」
『あの、北さん…一応言うておきますけど、私女子ですからね。』
こんな軽々しく家に上がらせてもろてええんやろか。
いやまぁ普通こういうのは、性別逆やと思うんやけど。
「何やA、そういうとこは侑と治に似とるな。」
『一応って言うたやないですか。』
「ははっ、冗談や。」
ガラガラと、扉を開けると美味しそうな匂いが漂ってきた。
『やば、めっちゃええ匂い…』
「婆ちゃんの飯はめっちゃ美味いで。」
『お婆ちゃんが作ってらっしゃるんですね。』
北さん婆ちゃん子か、可愛いなぁ。
というかギャップすごい。
「あら、信ちゃんおかえり。お隣におるのは彼女さん?」
『えっ、あ、その、…』
「部活の後輩の妹やねん。」
北さんのお婆ちゃんは、いらっしゃいと
優しく微笑んだ。
.
4184人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめつぶ(プロフ) - めっちゃ神作でした…!!!親と兄弟が目の前にいるのに何度も涙出そうになって、めっちゃ堪えました。本当に素敵な作品、ありがとうございます!!!!多分これからもリピートさせていただくと思います!!(() (4月8日 16時) (レス) @page50 id: e94f7d2b88 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - 神作ッ!!!主様天才すぎます。3周目に突入したのに涙が... (4月4日 0時) (レス) @page47 id: d24603059d (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 - なるほどなぁ、、神、 (4月3日 1時) (レス) @page50 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)
月三沢(プロフ) - 内容もそうだけど題名の伏線回収が良すぎる。主様神としか言いようがありません (2月17日 18時) (レス) @page50 id: cb6a9a20f8 (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - もう泣いたりドキドキしたり感情がとても忙しかった…!とても良い作品で何回も見直してしまいました! (12月30日 0時) (レス) @page50 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にろ | 作成日時:2020年5月17日 14時