人混み ページ36
集合時間ギリギリに双子と銀島くんはやってきた。銀島くん何か疲れてない…??
「ほんまにッッ…遅なってごめんな!!」
『大丈夫だよ!ちょうど時間ぴったりだし!それよりも、銀島くん汗すごいけど大丈夫…?』
「周りの人が双子見てはアイドルファンのように声あげとって…」
あぁ、何となく察した。お疲れ様です、銀島くん…。
「ほな行くで!!1番なったる!!」
「頑張っていろんなもん食べるで!!」
「いやもう何処から突っ込めばいいかわかんないんだけど。」
あまり電車に乗らない私にとってはちょっとだけ緊張がある。朝のため人はまぁまぁ多いし、はぐれないか不安だなぁ…。
「A。」
『えっ!?』
すっと倫太郎くんの手が差し伸べられて、思わずキョドる。
「人多いから、手繋いだ方が安全でしょ?」
『う、うんっ…!』
そっと倫太郎くんの手に触れると、ぎゅっと手を握られる。
男の子と手を繋ぐなんて正直初めてだから、手汗が酷いと直感的にわかった。
わ、倫太郎くん意外と手大きい…。
朝から心臓はドクドクと速くて、また自分だけ余裕がないみたいで少し嫌になった。
.
「うわ、えらい人やな…。」
「なんかインハイ思い出すわ…」
「なんでやねん。」
大阪駅は人、人、人。こんなに沢山人がいる電車に入るのか…。
ごくっと息を飲むと、急に倫太郎くんに頭を撫でられる。
「大丈夫だよ、ちゃんと居るから。」
『…!あ、ありがとうっ…』
電車に乗ると、やはり人が多い。というか完全に圧迫されそうだ。
『わっ…!すみませ、…』
後ろから押されて、体重が前のめりになり、目の前にいる倫太郎くんに抱きつく形になる。
『!!あ、え…と、これは不可抗力というか…!』
恥ずかしすぎて目を合わせられない。双子くんニヤニヤしないで何か助けてよ…。
すると腰に倫太郎くんの手がするり。そのまま抱きしめられてさらに密着する。
「Aって意外と大胆だよね。」
『!?ち、ちがっ…!』
「ふふ、冗談だよ。」
けろっと笑ってまた頭を撫でられる。まるで子供扱いされている気分。
(倫太郎くんは本当にずるいよ、…)
他の子にもこんな風に接しているのかと思うと、胸の奥がどろっとして気持ち悪い。
だめだめ、今はそんなこと考えちゃダメ。
倫太郎くんに顔を見られないように俯いたけど、胸は変に痛かった。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω`*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい!讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です!続きがすごく楽しみです!!応援してます!! (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ | 作成日時:2020年3月11日 10時