景色 ページ32
今まで観客の1人としてみんなを見ていたけど、いざチームメイトとして見ると気持ちが全然違う。
観客のときは、かっこいいとか、上手いなぁとかそんな在り来りの言葉を並べていたけど。
チームメイトとして、みんなを見ていたら
侑くんの丁寧で美しいトスが
先輩方や、倫太郎くんの手にドンピシャにはまって
点が決まる。
その瞬間、胸が高ぶって思わず声が出る。
自分も一緒に戦うんだと、倫太郎くんは言ってくれたけど
ほんの一瞬間気が緩んだら
倫太郎くんの美しいスパイクに見惚れてしまう。
こんなときに考えてるなんて良くないとは思っているけど
やっぱり倫太郎くんはかっこいいなぁ、なんて。
試合終了のホイッスルが鳴り、
ありがとうございましたと大きな声。
皆ぞろぞろと戻ってきて私を見れば、嬉しそうに笑った。
「まぁこんなん通過点に過ぎんし、いちいち満足する気もあらへんねんけど」
「むっちゃんにとっては初めての勝利やな。」
侑くんの言葉に治くんが続く。
『えっと…何ていうか、練習の時のみんなの頑張りの努力が試合に一つ一つ繋がってるんやなって改めて実感しました…！
私、マネージャーという皆の支えになれて、ほんま良かったと思います…！』
皆嬉しそうにニカッと笑い、ガシガシと頭を撫でてくれた。
「まだ終わりやないで。」
北先輩の一言で皆がギョッとするが、すぐに真剣な顔つきになる。
「結果は後からついてくるもんやけど、ここで終わるにはまだ早いんとちゃう？」
『……！はいっ！』
それから2回戦、3回戦勝ち進み
決勝まで来た。
だけど、決勝戦。
接戦の末、私たちは負けてしまい準優勝。
個人的には準優勝でも十分すごいと思っているけど、皆はやはり悔しい表情が隠せない。
「優勝未満は、全部ビリや。」
侑くんの一言がすとんと、胸に落ちて
あぁ、強豪とはこういう事なんやって思った。
「くっそぉ、春高で汚名返上や！！」
『せやな。私ももっと頑張らんと…！』
「え？」
『え？』
「いや、何かむっちゃんがノッてくると思わんかったから。」
『私も今回のインハイでたくさん自分にとっての課題見つけたし、皆を支えるにはもっと頑張らんとって思ったから！』
侑くんにニシシッと笑って返すと、彼は軽く私を睨んで頬を赤くした。
「その笑顔、俺に見せんと角名に見せーや。」
『え？』
「ほんまにこのままやったら俺が貰うで？」
ニヤリと彼はそう言った。
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麻呂ましゅ(プロフ) - 宮侑イケメン過ぎて今度は侑の小説見たくなっちゃったー( ߹꒳߹ ) (11月15日 7時) (
レス) @page47 id: e05060289a (このIDを非表示/違反報告)
なっちち(プロフ) - 久々にキュンキュンきました(*´ω｀*) (2021年2月7日 4時) (レス) id: 5d60cec675 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 気づいたらニマニマしてました……とても良い作品ですね(*´ `) (2020年5月18日 22時) (レス) id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 可愛すぎるってぇぇぇぇ!やばい！讀みながらひとりで騒いでたわ (2020年4月12日 16時) (レス) id: 767cede04a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 更新お疲れ様です！続きがすごく楽しみです！！応援してます！！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: f894f75d5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にろ
| 作成日時：2020年3月11日 10時
