＿私は希望を捨てた

お別れの言葉　byあき ページ14

優梨「希望(のぞみ)！」


大きな声が聞こえる……。


私は目を開ける。



目を開けると、そこには、玲と優梨が居た。


希望(のぞみ)「なんで2人が居るの……？」


恐る恐る聞いてみる。



玲「目が覚めたか！？」

優梨「希望(のぞみ)が倒れたって医師から聞いたの！」


そうなんだ……。


でも、どうして来てくれたの？



あんなに怒鳴っちゃったのに。

あんなに酷いこと言ったのに。


疑問に思い、聞いてみる。


そうしたら、意外な答えが返ってきた。


玲+優梨「希望(のぞみ)が大切だから。」


その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れた。


2人とも、私のこと嫌いになってなかったんだ。

2人にとって、大切な存在だったんだ。


溢れる涙が止まらない。


玲「最近、来なかったのは、少し1人の時間が必要と思ってたんだ。」

優梨「希望(のぞみ)って、1人の時間があった方が落ち着くでしょ？」


私ったら、なんで寂しいなんて思ってたのよ。


全然寂しくないじゃない。

2人とも、私のためにやってくれてたんじゃない。


私のことを理解してくれる。


そう思うと、心が温まる。


希望(のぞみ)「ねぇ、2人とも。聞いてほしいことがあるんだ。聞いてくれる？」


玲と優梨が頷くのを確認する。


希望(のぞみ)「実は、私、今日でもう死ぬんだ……。」


2人の顔が青ざめる。


少し嬉しかった。


私の死を、悲しんでいるように見えて。


こんなに愛されてたんだ……。





ねぇ、お母さん。

もう悔いはないよ。


こんなに大事にされてたもん。


死ぬのだって怖くない。



あぁ、嬉しい。



玲「嘘だろ！まだ死なねぇでくれよ！」

優梨「そんな嘘で、騙されないんだから！」


私、大切にされてるんだな……。


希望(のぞみ)「ごめん。嘘じゃない。でも、ただ最後に伝えたいことがあったんだ。」


2人は黙る。


希望(のぞみ)「ありがとう。大好きだよ。」


これだけは、この声で届けたかった。


2人は、目に涙を浮かべた。


玲「なぁ、嘘だろ。先に行かないでくれ……。」

優梨「私と玲と希望(のぞみ)が居てこその3人組なんだよ……？1人でも欠けたらダメじゃない……。」


か細い声で訴える。


ごめんね。

でも、ありがとう。

ここまで私を愛してくれて。


私、誰かの大切な人になれてよかった。

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