アーヤの意思 美門side byあき ページ20
そういえば、まだ何があったか、詳しく話していなかったね。
焦りが出て、すっかり忘れてた。
「今日、突然、アーヤが学校をやめたって先生に言われたんだ。
事情を聞いたけど、個人情報だから教えてくれなかった。
それ以外、何も掴んでないけど、アーヤの身に何かが起きたことは確か。
アーヤが訳もなく学校をやめるはずがない。」
そう言うと、若武が立ち上がった。
「とりあえず、アーヤの家へ行こうぜ!
ここで何話しても決まらねぇよ!」
自信満々に笑う顔に、“これは事件だ”と書いてある。
でも、まあ、事実だよね。
ここに居ても変わらない。
俺は静かに立ち上がる。
「若武に賛成。
早くアーヤに何があったか、知りたいしね。」
すると、今度は、ため息をつき、上杉が立ち上がる。
その後に、小塚、七鬼と続々に賛成者が増えていく。
最後に……黒木が残った。
俺らは黒木を見つめる。
早く行こう、そんな意味を込めていたのかもしれない。
黒木は立ち上がり、鋭く睨んだ。
「アーヤは俺たちにきっと知られたくないことがあるんだ。
だから、無言で学校をやめた。
それでも行くのか、聞かせてほしい。
アーヤが望んでいないことをするのか?」
黒木の言葉が胸に刺さった。
アーヤが望んでいない……。
辺りが静まる。
すると、真っ直ぐな声が聞こえる。
「もちろん行くに決まってんだろ。
仲間だからな。」
一番最初に口を開けたのは、若武だった。
いつも若武はそうだ。
誰よりも真っ直ぐでヒーローみたいな奴。
そんな奴が行くと言っているなら、行くしかない。
「俺も行くよ。」
少しニヤッと笑った。
「俺とアーヤは心の友だし。」
そう言うと、案の定、若武がのってくる。
「ってめ!
同じクラスの特権だからって!」
今にも喧嘩が始まりそうだ。
でも、黒木が口を挟み、止めた。
「美門、悪戯も程々に。」
面白くなりそうだったのにな。
止めたれたことに少し拗ね、口を尖らせる。
「分かってるよ。」
若武はからかわれていたことに気づき、咳払いをした。
「今からアーヤの家へ向かう!
例え、本人が望んでいなくとも行くつもりだ。
賛成の者は挙手を!」
黒木以外の全員が手を挙げる。
これが俺らの答え。
俺らは黒木を再び、見つめた。
すると、黒木は両手を軽くあげる。
「完敗だ。
アーヤの家へ行こう。」
……アーヤ、今迎えに行くからね。
彩り 傍観者side byクッキーベル→←会議中 美門side byクッキーベル
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桜空(プロフ) - 感動しました😭頑張ってください❣️ (8月13日 17時) (レス) @page47 id: 873d12dac3 (このIDを非表示/違反報告)
そしら(プロフ) - とっても面白くて続きすごい気になります!更新頑張ってください❕応援してます!! (2021年12月12日 19時) (レス) id: 21368176ec (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - みれいさん» コメントありがとうございます!!私もそういうブラックな話好きなんです笑笑 応援に応えられるように頑張りますね!! (2021年3月29日 22時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
みれい - 彩が病む系めっちゃ好きです!応援しています (2021年3月29日 18時) (レス) id: ed731c8501 (このIDを非表示/違反報告)
クッキーベル(プロフ) - ブラックホワイトさん» コメントありがとうございます!感動してくださったなんて嬉しいです!!楽しみにしてくださる方がいるのであれば、これからも更新頑張ります!! (2021年3月26日 14時) (レス) id: 456e770b4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あき@草売り大魔王&クッキーベル x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp
作成日時:2020年4月6日 20時