絡まる絆は知っている

久しぶりの外の世界　彩side ページ6

久しぶりに、外に出ようかな。


1週間ほど引きこもってた私は、ふとそう考える。






外に出ないと圧迫感があって、なんか窮屈。


外の空気に久しぶりに触れようっと。





私は、外に出ようと、自分の部屋を出る。


部屋を出ると、たまたまお兄ちゃんが居た。





「お兄ちゃん。ひ、久しぶり……？」

私は、かすれた声を出す。



お兄ちゃんは私を見るなり、目を見開いた。



まあ、それはそうか。


ずっと引きこもってたもんね。





お兄ちゃんは、驚きつつも、私に話しかけた。


「あ、彩なのか？」



どっから見ても彩でしょ！





お兄ちゃんの言葉に、思わずツッコみ、私はコクッと頷いた。


「私、久しぶりに外に出てみる。」





お兄ちゃんは、まだ驚きが混じっていたが、いつも通り素っ気なく言った。


「気をつけて行ってこいよ。」






私は、静かに玄関へ向かう。


そして、扉を掴み、ゆっくり押し出した。






一瞬で風が流れ込んでくる。





冷たくて、気持ち良い。


やっぱり外っていいな。




私は、思いっきり体を伸ばした。





まず、どこへ行こうかな。


うーん、公園に行ってみよう！




理由は特にないが、なんとなく公園に向かった。









この時の私は、まだ知らない。


また、自分に覆いかぶさる悪夢を。

新たな悲しみ→←悪役はどうやっても悪役　黒沢side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す