絡まる絆は知っている

壊れる自分 ページ3

「本当は入りたいんだ。」

だったら……！



私はこの続きを言おうとしたが、黒木君は首を振った。

そして、押し付けるような目で私を見た。






まるで、“ダメだ”って言うように。


目は口ほどに物を言うっていうのは、こういうことか。







「今の探偵チームフレンドは、君を真っ先に信じた者達が入っているだろ？」

私は首を縦に振る。





「だったら、やっぱり入れない。

　俺は真っ先に信じることが出来なかったから。」




そんなの気にしないで。

そう言いたかったが、口が動かなかった。






「俺が、アーヤのそばにいる資格は無いよ。」


黒木君は寂しそうに笑う。



私は、何も言えずに立ち尽くしていた。






あぁ、これが私の無力さ。


思わず、心が苦しくなる。





「アーヤが悪いんじゃない。俺が悪かったんだ。」


黒木君はそう言うが、絶対に違う。







だって、黒木君は、私を信じてくれた。


たとえ、手遅れだとしても。






「俺は、探偵チームKZも、サッカーチームKZも抜ける。

　ただ、それだけだ。」

数秒後、黒木君は、書斎を出て行った。







でも、私は、黒木君を止めない。



これは黒木君の答えだから。




それと、理由は分からないけど、KZも黒木君を止めなかったんだ。









それから、時間は、一瞬で過ぎていく。

いつのまにか、私は足を動かし、家に帰っていた。





後のことはあまり覚えていない。


ただ、ずっと考えていたんだ。







何のために私はこんなことをやってきたのか、と。

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