絡まる絆は知っている

懐かしい ページ15

ともかく、ここで完全に私がバレたとは思えない。

だったら、誤魔化すまで！



私は“元”国語のエキスパートとして、必死に言葉を考えた。




どうすれば、上手く誤魔化せるか。

どうすれば、みんなが信じてくれるか。



でも、そんなこと、必要なかったみたい。






だって、私が言葉を発する前に、佐田さんが声を出したから。

「もしかして、こいつ、七鬼のストーカーじゃね？」




は……？

私は七鬼さんの天然発言の時よりも呆然とした。





開いた口が塞がらないとはこのことだ。




す、ストーカー？


何も言わない私を見て、武田さんも口をニンマリさせた。


「あぁ、なるほどね。


　好きで七鬼君のことを追いかけてたわけ。

　だから、七鬼君の名前知っていたんでしょう？」





は、はぁ。

何か別の方向へ話が進んでいるような……。



そんな思いをしている私をいざ知らず、七鬼さんも納得したように頷いた。


「通りで俺の妖怪アンテナが反応したわけだ。」




ち、違うんだけど……。

私は声を出すことすら忘れて、ただみんなが納得する姿を見ていた。






すると、砂原さんと片山さんが言う。



「ま、七鬼を好きなるのは良いが、流石にストーカーは危ないからやめとけよ。」

あ、うん、ストーカーじゃないけど。



「訴えられるかもしれないぜ。」

あ、うん、ストーカーじゃないけど。





私の頭は既につっこむことをやめていた。

このまま、ストーカーってことにしといた方がいいだろうし。




でも、なんか懐かしいなぁ。

私、こういう雰囲気のフレンドが好きだったんだ。



今はもう赤の他人だけど、ね。





なんでだろう、心がざわつく。

でも、これは私が望んだ結果だから、間違ってない。








分かっているのに……おかしいね。








心がうるさく言うんだ。



こんな結果望んでない、なんてさ

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