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「……あの、お仕事、お疲れ様……です」
「え……」
そんな呑気なことを考えていた___次の瞬間、突然ふわっと頭に小さな重みが増す。それが手だと気づくのにそう時間は要らず、驚いている間に、小さな手は髪の流れにそってぎこちなく往復し始めた。
……誰かに撫でられたのは、本当に久々だった。おばあちゃん子だった俺は小さい頃によく頭を撫でてもらっていたのだが、どうにもその手つきに似ていて、つい肩に入っていた余計な力が抜けていく。
普段の彼女からは想像も出来ない、優しくて、どこか遠慮がちな手つき。きっと不器用ながらに、ここへやって来る疲れた俺達を癒そうと、頑張って考案してくれたことなのだろう。
そう思うと、どうにも、愛しい気持ちが込み上げてくる。
「……なんか分かった気ぃするわ」
「?」
「周りの人らが、君のことでわーわー騒いでる理由」
だってあんた、可愛いもん。
そう言ってAちゃんの髪を撫で返してやれば、無意識なのか意識してなのか。グリグリと掌に頭を押し付けてくる姿に、思わず猫の姿が思い浮かぶ。あんまり甘えないのに、こういう場面では甘えてくるところとか、猫そっくりやん。
「……えへへ」
「……」
ただ急にそんな可愛い笑顔浮かべんのは反則だと思うので、今度から一眼レフカメラだけは持ち歩こうと心に誓った。
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【二人目】Sg side
「あ……」
「志賀ぁあああああ!!!!!!」
とっても分かりやすい状況解説。
東(芸)大生枠として時々動画にも顔を出させていただいてる私、志賀は、今日も変わらず普通にせっせと与えられた仕事をこなしていた。だが急な立ち眩みによりドデーン!と大きな音を立てて床に突進。先程の叫びはそんな私を見た伊沢さんによるものだ。
そして私は彼の叫びも虚しくそのまま意識を失い、約二時間の睡眠を経て、仮眠室で目を覚ましたのだった。
「……えぇ……もう二時……」
かなり物理的ではあったが、久々にした昼寝は案外気持ちよく、思いの外寝てしまっていたらしい。頭上に置かれていたスマホ画面を確認すれば、14:32とはっきり表示されていた。
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白菜(プロフ) - 凛花さん» 気づくのが遅くなってしまってすみません!イラスト気づいて頂けましたか……!ご想像通りの八神ちゃんが描けていたみたいで良かったです!! (2020年8月26日 22時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
凛花 - イラスト…イラストが…!!もう八神ちゃんですね…可愛い…私の想像した八神ちゃんだ…尊い…(語彙力低下) (2020年8月14日 23時) (レス) id: 0e33e6ca02 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - るるあ。さん» ご指摘ありがとうございます!キーボードが押せてなかったのかもしれません…早急に直させて頂きました!るるあさんも体調管理には十分にお気をつけて! (2020年8月8日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
るるあ。 - ページ48の後半の「ひしひし」の部分、「ひしひ」になってます…いつも更新ありがとうございます!このご時世なので、お身体には十分お気をつけくださいね! (2020年8月8日 15時) (レス) id: 807ddee245 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 藍知さん» Sgさんですよ…ほれほれ……() (2020年8月8日 13時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
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