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人外同盟 《興味》 ページ11

姿は人間、うちなる本能は人外。
そんな者達の集まったのがこの【人外同盟】。

本日晴天、特別な行いごとも無し。ただ、過ぎるのが惜しい日常を過ごしていた。
何も変わらず、趣もない。ため息が連なる日常でもあった。

人間用の情報誌を広げれば、そんな退屈は打ち切られていた。


「腐乱死体?」

声に出したのは、妖怪、名はロミオ。
幼い印象とは別に知恵があり、何度も悪い意味で人間を導いた張本人。
俺は、迷惑だ、と意を込めて軽く睨む。

「さすがに邪魔とか言わないでよ、俺だって傷つきますー」

ソファの肘掛けに顎をのせて人差し指を立てる。顔はこちらを向いているのに目線は情報誌。
さらに身を乗り出して次の貢へ移ろうとするから仕方なく情報誌ごと彼に渡した。


しかし、ある一点で動かない。


「...興味、あるのか」
「勿論、この人、政府に捕らわれ取り調べ中だって、そんなこと言いながらどうせ罵ってる。」

それこそ政府は邪魔を消したいからね、と情報誌を畳んだ。
そろそろ喉が渇いてきた。小さなコップにあるものを飲み干した。
腐乱死体の記事のせいか、いつもより味を感じない。

ため息が出たがって、そして、出た。


「誰の血」
「いつもの崖のしたで亡くなった人間のだが」
「美少年美少女の血が好きそうなのに」

尋ねては遮り、そして何処かへ去る。全く優しくない。
返された情報誌を再び開き、もう一度読む。


吸血鬼、猫娘、妖怪、人狼、死神。腐乱死体ならば、こちら側なのだろう。



しかし俺はまだ腐乱死体のことをよく知らない。いるはずがないとすら思っていた。
一体、どれ程狂暴な奴なのか、ぐるぐると興味の渦がまく。
その容姿は伝説通り青緑の皮膚なのだろうか。
深く、線密に高い密度で渦をまく思考は自分を立ち上がらせた。


「シエル、腐乱死体は今どこにいる」

魔女、シエルは紙にペンを落とす。たちまちそれは、小さな爆発を起こした。
羊皮紙に変わり、じわじわと地図が表れる。
窓が1つの、しかし日陰である建物にいるようだ。


___彼か、いや彼女か。一体どんな奴だろう。


久し振りに目が光った気がした。楽しい。

左手の人差し指を親指で折れば、音がたった。続いて中指。


日光は苦手だから夜行こう。
そして助け出して、あわよくば仲間、家族なんかどうだろう!
家族が増えるのは純粋に嬉しかった。


「今夜、家族が増えるぞ。」



其れまでくたばるなよ、腐乱死体。

人外同盟 《新人》→←四角関係 【レン】



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ルーネスガルディン - 死神のシャルロットだ。、、、此処は? (2016年6月13日 12時) (レス) id: e3be47b955 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白い屈み | 作成日時:2015年8月18日 15時

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