ステーキ6g ページ7
ヒソカと別れてから暫くするとベルの様な大きな音が会場内に響いた。
周りの参加者はざわつき初め、それを横目で捉えてAは端から中央部へと足を進める。
『やっと始まるのか…何をするのかな、検討もつかないけど』
少し大きな欠伸をかまして眠気に耐えていると、周りがくるんとした髭の男に注目をしているのに気づく。
アレが試験官ってやつ…?確かにこれはなかなか…
品定めをしていて話など全く聞いておらず、肩に他人の肩がぶつかる感覚で試験が始まったのだと理解した。
『え、何。もう始まったの?みんな走っちゃって、走った方が良いのかな…走るか……』
このまま走り出すのは窮屈だと考えた僕は、皆が居なくなったのを確認してゆっくりと走り出す。
『いや〜、あんなにいたのが嘘のように広々!ここで寝れるね〜これは〜、試験する目標の友達作りもなんかいいかなって思っちゃったし、ここで1人寝てようかな〜』
「ダメだよ❤︎」
『うわぉ。びっくり、何処にでもいるね。貴方』
走るスピードは止めずに横を見ると、にっこり笑顔のヒソカが…先に行ったんじゃないの?
「先に行ったんじゃないのかって顔してるね♠先に行ってはいたけど、退屈だし君いないしで戻ってきちゃった❤️」
『暇なんだね、僕にかまけてるとタイムオーバーで失格になるよ。だから、早く…?!』
行きなよ、と言おうとする前に謎の浮遊感に驚き口をつぐんでしまった。
自分の脚と脇に回されるがっしりとした手の感覚、そして胡散臭い笑顔の張り付いたヒソカの顔との至近距離。
横抱きにされているのだ。
「軽いねぇ♣︎ちゃんと食べているのかい?」
『毎日3食きっちりたべているよ。顔を近づけるな下ろしなよ』
「下ろしたら君、真面目に走らないだろう?皆のところまで運んであげる❤️」
謎のお節介に、僕は断るのを諦めて暫くヒソカ号に揺られていた。度々髪の匂いを嗅ごうとしてくる彼にデコピンをかましつつ(1度も当たらなかった)
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