26.暗黙のルール ─ side 蘭 ページ26
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────── 『 梵天の幹部、九井に女が出来たらしい。』
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その噂を聞いて、有り得ないと思った。あいつは昔の女に囚われたまんまだし、それを思い出にすることも無く、未練たらたらである。
だから、女が出来るわけもない。
カツンカツンッと靴を鳴らしながら歩く廊下、人の気配がいつも通りしなかったり、したりとめんどくさい。
竜胆は、別件でいないし、三途は鶴蝶と死体処理ってとこなら、九井はどっかに居るだろう。
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だってほら、揺れる白い髪は誰かさんに似ているらしい。
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蘭「オンナ、出来たんだってな。」
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その後ろから、声をかけたのなら、ピクリッと揺れた髪の毛を見つめたまま、立ち止まった彼。
振り向かれたのなら、それはそれは怒ってるのか、面倒臭いとでもいいたげな顔をしている。
お前がまいた種だろ。
自業自得ってやつ。
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九井「オマエ、噂を鵜呑みにすんのかよ」
蘭「してねぇし、嘘っぱちなのはわかってるし。けど、どうすんの噂」
九井「関係ねぇだろ」
蘭「あるでしょ。オマエらが契約関係だろーがなんだろーが知らねぇけど、幹部のルールは守れ。」
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その言葉に目をそらされるから、ケラケラと笑いながら、隣に立ったのなら、睨まれるけど気にしないし
今更怖いなんて思わなかった。
慣れてしまえばいいのだから、そんなことだって。
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蘭「特定の女を作ったのなら、それはオレたちの弱みになるし隙にもなる。どうでもいい女なら別にいいけど、そうでもないだろ、あの子は。” あかねさん ” が拉致られるのと同じようなもんで」
つらつらと話していたのなら、カチャッとした音を聞いては、何も考えずに手から、それを引き剥がしてやる。
女遊びしてるって思われるかもだけど、1応は幹部だし、オレ。
睨まれるけど気にしない、事実は事実。
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蘭「優しいお兄ちゃんからの忠告だよ、じゃ〜な」
九井「余計なお世話だ、コノヤロウ」
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そうやって言われても、その隣を通り過ぎる。
井山Aちゃんの味方をするわけでもないけど、あの子も中々に強いなぁって思った。
まぁ、それもあの子が生きているなら、の話だけれど。
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ちょき。(プロフ) - 十六夜夏希さん» まだ2人とも囚われてるような感じになってます!! 少しずつですが、物語が動き始めつつありますので、見守って貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年12月5日 9時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - え、めちゃくちゃ切ない…。それぞれの囚われている感がめっちゃ好きです。ココの推しもっと増えろ。(笑)更新頑張ってください! (2021年12月1日 2時) (レス) @page38 id: 1ab5df6e8d (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココオタクって言われてしまったうち喜んでいいのやら😩 (2021年11月30日 0時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
ちょき。(プロフ) - ちえさん» 九井くんいいですよね!!わかります!!私も好きです! 今回は九井くんメインのお話でしかも長めのお話なので、楽しんで貰えたらです! コメントありがとうございました! (2021年11月28日 23時) (レス) id: 186429bef0 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - ココが推しなのでこういう話しがもっと見たいです。 (2021年11月26日 19時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょき。 | 作成日時:2021年11月22日 13時