甘え方 ページ9
Aside
事情を話しただろう事を伝えても
大して怒らないあたり、
彼らへの信頼は厚いらしい。
左馬刻「……後で一発ぐれぇ
殴らせてくんねぇかな。」
……怒ってないわけじゃなかった。
単に怒る気力が無いだけかな。
A『……私から言っておくから。
それに、彼らの事は、信頼してるんでしょ？』
左馬刻「………まぁな。」
A『………………よかったね。』
そう言って、軽く頭を撫でる。
左馬刻「……お前ほどじゃねぇけどな。」
A『っ！…………そういうの
急に言わないでくれる？
心臓に悪いよ。』
左馬刻「いい加減慣れろや。」
A『……彼女でもあるまいし。』
左馬刻「………………悪い。
もう少し、待ってくれ。」
A『別に急かしてないよ。
それに、彼女になりたいわけじゃないから。
ただ、もう少し一緒にいたいだけ。』
左馬刻「どっちみち、
俺といるとリスクが高ぇ。
せめて、俺の部下共にお前を任せられる
くらいにはしておきてぇんだよ。」
A『私には霧島がいるのに。』
左馬刻「俺はあのおっさんに
頼りたくねぇんだっつの。」
A『分かったよ。
でも、無理は絶対にしないでね。
急がなくても、居なくならないから。』
左馬刻「……おう……。」
そんな話をしているうちに
お粥を食べ終わっていた。
お盆を脇へ置き、再び一緒に横になる。
A『………ゆっくり休んで、
ちゃんと治してね。』
左馬刻「……あぁ。
……………………なぁ、……
………キス、してぇ。」
A『熱が治まってかr……はぁ……
少しだけね。
したら、ちゃんと寝てよ？』
辛そうな顔で頭を擦り付けてくる
彼に、つい許可を出してしまった。
どうか、移りませんように。
左馬刻「…っ……A……。
…………っ……はぁ………あったけぇ。」
A『…っ……はぁ……
…………っ……もう、ストップ。
ほら、寝るよ。』
彼を抱きしめてやると、まもなく
規則正しい寝息が聞こえてきた。
だいぶ顔つきが穏やかになってきた。
薬も少しは効いているのかも。
そして、左馬刻が完全に寝た後、
そっとベッドを抜け、
お盆を持ち、寝室を出た。
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作者名：ゆず | 作成日時：2019年7月17日 2時
