弱った左馬刻様の安定剤 (ページ41)

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過去(左馬刻side②) ページ41

左馬刻side

ある日、組の仕事を終えて親父の元へ行くと、

またひどくどやされた。

退紅「お前は少し加減を覚えろ。

やりすぎだ。」

左馬刻「………これでも手加減してんだ。」

あぁ、クソ。イライラする。

どうにも、落ち着かない。

親父の言葉一つ一つにもイライラは募り、

俺は悪態をついて部屋を出た。

このまま家へ帰っても、

合歓に迷惑をかけると思い、

街をぶらつこうと考えていると

姐さんと出くわした。

今は関わりたくない。

そう思い、挨拶をシカトし、

横を通り過ぎようとした。

が、それは叶わなかった。

姐さんに腕を掴まれた。

左馬刻「……あ"？

何やってんだ？さっさと離せ。」

イライラを顔に出し、メンチを切ったが

姐さんは少しも怯まなかった。

A『うるさい。……おいで。』

そのまま腕を引っ張られ、

姐さんの部屋へ連れていかれる。

力は強くなかったはずだが、

何故だか逆らえない威圧感があった。

黙って連れられ、ソファに座らされる。

A『……………左馬刻。』

ｷﾞｭｯ

左馬刻「っ！？……は！？

おい、離せ！…や、めろ！！」

いきなり抱きつかれ、驚いた。

仮にも親父の娘だ。

こんなことをしてると知られりゃ

どうなるか分からねぇ。

そう思い、抵抗したが、

A『静かにして。

お父さんには、内緒にしてね。

バレるとうるさいから。』

左馬刻「っ……なら、やめろ。

なんのつもりだ？」

A『……だって、

言葉で言っても分からないでしょ。

少しは、肩の力抜きな。

じゃないと、守るどころか、

左馬刻自身が潰れちゃうよ。』

左馬刻「は？……俺は、んなヤワじゃねぇ。

見くびってんじゃねぇぞ。」

A『……自覚して。

自分で、自分の気持ち

コントロール出来てないでしょ。

言い返したいなら、冷静になりな。

そしたら、離してあげる。』

左馬刻「っ………………。」

悔しかったが、言い返せなかった。

気持ちを上手くコントロールできず

イライラが止まらなかったのは事実だ。

早く落ち着いて、言い返したい。

そう思い、必死に気持ちを落ち着けた。

A『…………左馬刻は

いつも頑張ってるよ。

お父さんも私もちゃんと分かってる。

子供扱いしてるんじゃない。

本当に、すごいと思ってるの。』