弱った左馬刻様の安定剤 (ページ20)

今日:12 hit、昨日:29 hit、合計:331,658 hit

病院ページ20

左馬刻side

飯……お粥を食べ、薬を飲み、

顔を洗わされたり、熱を計らされたり、

おっさんに色々言われるがままになっていると

寝室のドアが開き、Aが出てきた。

左馬刻「おはよう。

悪ぃな、腹減って飯食ってた。」

ｷﾞｭｰｯ

A『……そういう時は

一緒に起こしてよ…………。』

Aから甘えてくるのは珍しい。

おっさんも、驚いた顔をした。

A『…………勝手に……いなくなんないで。』

左馬刻「っ！……そうだな、悪かった。」

そう言えば、行為のあとはいつも

二人で寝て、二人で起きて、

二人で風呂に入り……

しばらくは離れないでいた。

起きた時に隣にいないのは、初めてか。

左馬刻「悪かったって。

つーか、全然熱下がってねぇわ。」

A『……霧島、私のご飯も。

食べて、準備したら病院ね。』

左馬刻「医者なら、新宿に知り合いがいる。

……そこでいいか？」

A『ん？？いいけど、

いつも行くところじゃダメなの？』

左馬刻「話してぇこともあんだ。

ついでだ、ついで。」

A『……分かった。

だけど、知り合いなら私、

一緒にいない方がいいんじゃないの？』

左馬刻「あー……いや、大丈夫だ。

一応、信頼出来る人だし、

なんかあればAも世話になればいい。」

A『そう…………分かった。

あ、霧島。

後で家からパソコン持ってきてもらえない？

ここで少し進めたい仕事があるの。

それだけやっておけば

休んでいても問題ないって。』

霧島「そうか、良かったな。

手が空いたら行ってくる。」

A『うん、お願いね。』

仕事の話か。

毎度、迷惑かけちまってんな。

けど、何とかなってる見てぇだし

今は素直に甘えとくか。

出かける準備をし、

おっさんの車で新宿へ向かう。

左馬刻「ここだ。

先生には連絡入れてあっから

すぐ入れるはずだ。」

A『そうなんだ。』

名前を呼ばれ、先生のいる診察室へ入る。

すると、そこにはあのリーマンもいた。

寂雷「よく来たね。

すまないけれど、立て込んでいるから

独歩君も同席して貰うね。」

独歩「ヒィッ！や、ヤクザっ……！」

あぁ、うぜぇ……。

左馬刻「ﾁｯ…………。」

A『左馬刻、怒んないで。

そちらの方も知り合いなの？』