帝統が拾った女の話

言葉 ページ37

銃兎side








このAってやつ。


話には聞いていたが

見た目にそぐわず行動が幼い。


そして、聞けば

ほとんど言葉を発しないらしい。



何故そのまま放置しているんだ？

ありえないだろ。



というか、普通はそこから

矯正するもんだろ。




これじゃ、意思の疎通もままならない。




シブヤの奴らはバカなのか…？









もともと今日は

彼女と出来るだけ打ち解けるため、

3人で集まり、時間を作ったんだ。


仕方ないから今日は1日

彼女の練習に付き合おう。







銃兎「ではAさん。

今日は1日、たくさんお話して下さいね。」



A『………………いい、の？』







………………ん？どういうことだ？



帝統「？？ A？

誰かにダメって言われたのか？」





A『…………？

…………はな、す、の、、いい、の？』



帝統「………………今まで

話しちゃダメだと思ってたのか？」




A『………………(ｺｸﾝ)』








………………は？



帝統「………………(まじかよ……。)

悪ぃ、気づいてやらなくて。

……それは、知らなかった…。」






銃兎「…………つまり、、どういうことだ？」




左馬刻「……あー、銃兎。


Aのやつ、記憶はねぇらしいが

習慣、っつーか、


前のヤツらにされた躾が

体に染み付いてるみてぇで

たまに意味わかんねぇ行動すんだわ。」





銃兎「………………なるほど。

つまり、前の主はAから

発言の自由を奪っていた、

ということで、合っていますか？」



左馬刻「……多分なぁ。

しかも、おそらくこいつが

かなりちいせぇ時からだな。

周りの会話聞いて、言葉自体は覚えれても、

話せないんじゃ、こうなるわな。」





銃兎「……それは、なんというか。



…………ぜってぇしょっぴいてやる。」




こんな胸くそ悪い話があるだろうか。


もともと彼女には不審な事がいくつかあって

前の主に不信感はあったが

まさかここまでとは。


傷を負わされていないだけまし。


そう思っていた数分前までの自分を呪いたい。







銃兎「……Aさん。

あなたは、これから何も我慢はいりませんよ。

話したいことがあれば話して下さい。

これからは、たくさん

その声で、言葉を紡いで下さい。」




理鶯「そうだな。

A、小官は貴殿とこれから

たくさん話がしたい。

貴殿の声を沢山聞かせてくれ。」

猫可愛がり→←個性とは

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す