Euphoria【Raul】 (ページ39)

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Grateful days 39 ページ39

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病院を出たところで、敷地の外のガードレールに腰掛けていた大きな男の子が、ぴょこんと立ち上がりその長い手を振り回しているのが見えた。

わ〜目立つぅ・・・

足早に近づくと、ニコニコと嬉しそうなラウール。

「Aさん、お仕事おつかれさま！お祭り、楽しみだね！」

「うん、そうね」

「早く行こ！」

ぱしんと手を取られた。

「ま、待って！」

あなたとわたしじゃ足の長さが違うんだから！！

巡業から帰ってきたラウールに誘われて、夏の最後のお祭りへ。イベントをまとめたサイトで彼が見つけたそれは職場の近くだったから、わたしをピックアップしにわざわざ待っていてくれたのだ。

大きなお寺へと続く巨大な商店街総出で行われるので、人出もすごい。

「Aさん、手、離さないでね」

「え？」

手首を遠慮がちに摘まんでいたのに、その手はするんと降りてきて私の手をすっぽりと包む。

「はぐれるといけないから」

眉間を険しくして、至極まじめに言うラウールに、もはやこくんとうなずくしかない。子どもじゃないんだから、とは言わないでおいた。

商店街の店先でワゴンセールをしていたり、食べ歩きできるような限定メニューを出していたり。

「ねぇねぇ、チーズホットクだって！美味しそー！あっでもケバブもあるよ。どうしよっかな〜あー！迷う〜！」

頭を抱えてるラウールがかわいくて仕方ない。

「どっちも食べようよ。分けたらいろんなの食べられるよ」