Euphoria【Raul】 (ページ33)

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Grateful days 33 ページ33

「Aちゃんはぁ・・・」

えっ！

急に馴れ馴れしく呼ばれて思いっきり隣を振り向いてしまった。

「あれ？違った？Aちゃんだよね？」

きょとんと目を丸くしている佐久間さん。すっかり歳下だと思っていた。何歳なんだろう。

「佐久間くん、距離の詰め方エグすぎ」

佐久間さんの向こうに座っている目黒さんが顔をしかめる。彼はラウールのモデル仲間で、舞台を見に来たらしい。もう何度も来ているから、ここのみなさんとも仲良しなんだそう。

「ええー、ダメだった？」

「い、いえ、かまわないですけど・・・」

「んもー！佐久間くん、ダメだって！！」

ラウールが長い腕を伸ばしてわたしの肩を引き寄せた。ぐんと佐久間さんとの間に空間ができる。

「ダメなのはおまえだろ！いつまでも居候してんじゃねーよ」

佐久間さんは「め！！」と犬でも叱るような顔をしてから、一瞬でニコニコ顔を作り「ねー！」と首を傾げた。

たしかに、距離の詰め方・・・

「ラウール、邪魔じゃなぁい？おうちデートとかできないっしょ」

「あ、ああ、別にそれはいいんです。付き合い長いし、こういうことは何回もあったんで、慣れてるんです」

「付き合い長いってどのくらい？」

「２年、くらい？」

「Aちゃんは何歳なの？」

佐久間さんはポンポンと質問を投げかけてくる。テンポの良さにうっかり答えていってしまう。

「今２５歳です。早生まれだけど」

「オレと一緒だ」

目黒さんがにこりと微笑む。白い歯が眩しい。さすがモデルさん。