Euphoria【Raul】 (ページ20)

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Grateful days 20 ページ20

「ラウールくんは、今日は学校とかある？わたし、帰りはたぶん７時くらいなんだけど」

「んー、大学行って、ダンスレッスン行くから、おれの方がちょっと遅いかも・・・そうだ！家寄って、服とか持ってきてもいい？」

「もちろん。部屋の鍵に家の鍵もついてたでしょ？好きに過ごして大丈夫だよ」

ラウールくんがもぐもぐしながら頷いた。

「ありがとう。あのね、Aさん。おれのこと呼び捨てでいいよ？『くん』とか付けて呼ばれたことマジでないから」

「そうなの？わかった」

ラウール、と舌の上で転がしてみたら、えへへ、と可愛い笑顔が咲く。

「Aさんは何の仕事してるの？」

「看護師よ」

電車を２つ乗り継いだ先にある総合病院の名前を言ったら、ぶつぶつと繰り返してる。

「大変なお仕事だね」

「んー、まぁ何の仕事も大変だよ。うちは幸い、みんな人がいいので居心地が良くて助かってるけど」

「そっかぁ」

ラウールは大学を卒業したらどんな仕事をするんだろう。ずっとダンスをしてきたと言っていたし、そういった方向に進むのかな。わたしには全く未知の世界。

洗い物はしてくれる、と張り切っていたのでお任せして身支度を済ませる。

「じゃあ、ごめんね、先に出るね・・・あ、夕飯は用意した方がいい？」

靴を履きながら振り返ると、ラウールがアワアワしている。

「でも作るの大変でしょ？！いいよいいよ！」

「大して手間は変わらないけど・・・どうする？」

「え・・・ほんとに？いいの？」