Euphoria【Raul】 (ページ16)

今日:13 hit、昨日:14 hit、合計:53,991 hit

Grateful days 16 ページ16

満面の笑みがあまりに可愛くって、心臓がぎゅっと止まりそうになる。どうしよう、親バカ、ならぬ、姉バカ？

カップを持っていない方の手を両手で包まれた。大きな彼の手の中で、まるで子どもみたいなわたしの手。

「よろしくお願いします！おれ、がんばるから！なんでも言って！」

「うん、よろしくね。あ、今日はどうするの？いったん帰るなら送っていこうか？」

んー、と口をへの字にしたラウールくん。

「パパと喧嘩しちゃったから・・・」

「ウチは泊まってってもいいよ。でも連絡だけはちゃんとしてね」

「ハイ」

しぶしぶ、といった感じでスマホを取り出したラウールくんがぽちぽちと文字を打ち込んでいるうちに、客間の用意をしておこう。

飲み会の後に泊まってく人もたまにいるから、ベッドとシーツは常に綺麗にしてある。布団はこの間の休みに干しておいた。枕カバーは着けていなかったから、クローゼットを開けた。

クローゼットの中のプラボックスには、リネンと一時期住んでいた何人かが置いていった服が入っているものと、もう一つはカラにしてある。

カバーをかけて部屋に置いてある鍵を取ってリビングに戻ると、ラウールくんが大きなスポーツバッグを漁っていた。

「着替え、ある？」

「あっ、着替えっていうか、洗濯物が・・・」

「ふふ、早速洗濯しようか」