Euphoria【Raul】 (ページ15)

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Grateful days 15 ページ15

しょんぼりと大きな体が縮んでいく。

「家を借りるとか、保証人とか、どうすればいいのか全然わかんなくて・・・パパもよく知らないって言うし。大学続けるなら学費と生活費は出すって言ってくれてるんだけど」

きゅーん、と捨てられた子犬みたいな目で見上げられた。

・・・こんな可愛い子、放っておける人間、いる？

「そしたら、しばらくここに住む？」

「えぇ？」

わぁ、大きな目が落っこちそう。

「うち、広いからいろんな人がよく住み着くの。同棲してる彼氏と喧嘩したーだとか、家賃払えなくて追い出されたーとか。

だから、ラウールくんが家事覚えて、部屋を借りるまで、ここを拠点にしてもいいよ？部屋余ってるし」

口をぽかんと開けたまま固まっているラウールくん。

「でも、お母さんが病気で入院してる間の家事って、どうしてたの？」

途端に、気まずそうに視線を泳がしてる。

「それはぁ、その、家政婦さんが・・・」

「家政婦！」

そういえばお母さんの遺産だけでも結構あったな。お父さんもブランドの服着てたし、事業をやっている人かなんかなのかしら。

「でも、ホントにいいの？」

「うん。わたしはかまわないよ。部屋に鍵も掛かるようにしてあるから、ルームシェアみたいな感じよ」

「そっかぁ・・・うれしい、Aさんと一緒に暮らせるの。どうもありがとう！」