しあわせのおと【Daisuke.S】 (ページ2)

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PEACE!! 2 ページ2

そのときは目にも鮮やかなピンクの髪で。

ゲーム制作会社だから、みんな服装は好きなものを身につけているし、髪だって色とりどりだけど、さすがにあんなに鮮やかなピンクの人は見たことがなかった。

「喜多川さんね！ねー、Aちゃんて呼んでもいい？ウチね〜結構みんな名前で呼んでんだよね〜」

人見知りの見えない壁なんかぶち破って、きゅるんきゅるんの目で覗き込まれたら頷かざるを得ない。

「俺はね〜さっくんでいいよー。っていうか、名前じゃねぇじゃん！あははは！！」

新卒採用で働いていた部署から初めての異動で、緊張でガチガチだったのに、つられていつのまにか笑っていた。

このときには、もう人として好きだなって思った。

時間が経つにつれ、慣れない仕事を教わりながら、さっくんはただのムードメーカーなんじゃないことを痛感させられた。

「Aちゃんさー、こんなに抱えてんならちゃんと言ってよ。できないならできないって言ってくんないと、こっちのスケジュールにも影響してくんだからさ」

イチイチ引き継ぎ書を調べながらやってたらぜんぜん進まない仕事。

終業時刻を過ぎてもまだまだ終わらなくて、それでも明日朝イチの会議に出す資料だって言われたから頑張ってたのに。

「貸しな。こんなんじゃ、ダメ」