思い出はカレンダー 3【Q|K】

片付け　kwkm ページ10

「汚っ」


普通、彼女の家にやってきた彼氏が一言目にこれを発する人がいるだろうか。私が知っている限りではコイツだけだと思う。


「どうしたらこうなるん？」

『うーん、気づいたら』


私がそう答えると冷たい視線を送ってくる。うん本当にコイツ彼氏か？


『だから言ったじゃん。部屋汚いよって』

「汚いにも程がある」


辛辣すぎる。誰に対してもズバズバと言う性格が彼の良いところではあるが、あまりにも私の心に突き刺さる。


「伊沢さんが言うくらいだから相当なんやろうなって覚悟はしてたけど」

『もうそんなこと言うなら帰ってよ』


と言うのも、部屋が片付かないから入れられないと言い張っているにも関わらず、拓郎が行かせろ行かせろとうるさかったため部屋に入れたのだ。


「片付ける気あんの？」

『そりゃあるけどさ、なかなか1人じゃ厳しいもんよ』

「1人でここまで酷くしたくせに？」

『酷くするのは簡単なんだよ』

「偉そうに言うな」


はい、と返事をするとさっきの言動とは打って変わって優しく私の頭を撫でてくれた。急にデレが来たじゃん。


「今日はアレやけど、今度丸一日かけて部屋片付けよ。俺も手伝うから」

『ありがとう好き』

「はいはい」



.

.



「なあこれもういらんやろ」

『ん？あーそうだね。捨てよかな』

「はぁ、何でこんなもん置いてあるん…」


後日、本当に日を改めて部屋の片付けに来てくれた拓郎。しかし相変わらずグサグサと私に言い放ちながら捨てていく。


「本当に悪気あんの？」

『いやあ、これもアートだから。私の作品よ』

「は？」

『すいませんでした』


彼となら断捨離もスムーズにいきそうです…怖いけど(涙)




..

部屋の汚さ尋常じゃないのでズバッと言ってくれる人に片付けを手伝ってほしい(無理)

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