思い出はカレンダー 3【Q|K】

好きな人　ymmt ページ14

『ねぇ、山本くん』

「ん？」

『好きな人に“好きな人いるの？”って聞かれた時、なんて答えるのが正解だと思う？』

「急だなぁ(笑)」


ふと疑問に思ったからたまたま目の前にいた山本くんに聞いてみた。笑いながらも腕を組んでちゃんと考えてくれるあたり優しい。


「そうだなぁ、大体“いるよ”って答えてすれ違うことが多いからね」

『そうそう。でもだからと言って嘘つくのもどうかと思うんだよね』

「理想は“好きな人は君だよ”って言うのがいいんじゃない？」


うわ、山本くんキザだなあ。私には到底言えないや。ていうかその言葉を言うとしたら大体男性だから私じゃないか。


『ちょっと、今の良い声でもっかいお願いします』

「えー？(笑)……好きな人は、君だよ」

『きゃー！』


無茶ぶりをしても答えてくれる山本くん、最高にノリがよろしい。楽しくなっちゃって足をばたつかせてしまって勢い余った右足がテーブルに当たってしまって痛い。腫れそう。

足をさすりながら我に返って真面目に山本くんに聞いてみることにした。


『ちなみに山本くんって好きな人いたりするの？』

「さぁ、どうでしょう？」

『えっ、ちょっとさっきと言ってること違うじゃん』


えへへ、と小悪魔系男子という言葉が似合う笑い方。なるほどそういう返しもあるのか。知識の肥やしになったかも。使い道なさそうだけど。


『ちなみに私はいません』

「聞いてないのに自分で言っちゃうの？」

『だって聞いてくれないから』

「えー、じゃあ教えないとフェアじゃないかー」


おぉ、もしかして教えてくれるのか。そんなつもりで言ったわけじゃなかったんだけどな。笑
まぁ真剣に言おうか迷ってくれてるし、知りたいっちゃ知りたいので結果オーライかな。


『さぁAちゃんに言ってみんしゃい』

「僕はねー、Aちゃんが好きだよ」

『えっ』




さっき好きな人はいないと言いましたが訂正します。ただいま好きな人が出来ました。


..

ラジオのイケボが最高すぎました。あれはやばかった…

社員と社長→　izw→←感情　sgi

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