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皆は息を呑んだが当の本人である俺は、やけに冷静だった。誰も何も発さず、静かな空気になったのをいいことに俺は誰とも目を合わせることなく話す。
「この手紙も一昨日から届き始めて、そんで今日は誰かに後をつけられてた」
「まじか……」
はぁ、と溜息を吐きこれからどうしようかと悩み腕を組む須貝さんを見つめながら、また一通新着メールが届いたと健気に知らせてくれる自分のスマホも視界に入った。
「────とりあえず迷惑メールは届かないように設定して、メルアドを変えたりしよう。ね。」
「え、うん……」
この静寂を破ったのは福良さんだった。突然の提案に驚きながらも頷くと、他の皆も次々に口を開き始めた。
「この手紙、中身見たの？」
「あー……昨日届いてたやつは見た」
「じゃあこれから届く手紙は開けないでここに持ってきて、皆で封を切ろうか」
そう言って河村さんは慣れた手つきで手紙を一つに纏め始めた。俺にはなるべく触らせないようにと遠ざけて。
「後をつけられてるのってオフィスから家までの間なわけ？ならマネージャーさんに言って防犯強化してもらおうよ」
そして次に言ったのは須貝さんだった。その言葉にこうちゃんと山本も頷き、新たな議題で会議が始まったようだった。
「今のところこうするのが一番いいと思う。後はまた様子を見て考えよ」
「……うん、ありがとう」
冷静でいられると思っていたのは単なる自分の強がりだった。真剣な表情でこれからの策を考える皆を見て気付かされた。
二週間前、河村さんの件が解決してすぐに俺は皆から「何かあったら絶対に隠さず言うこと」と念を押されていた。
俺としても隠す方がデメリット多いし、異論はなく頷いていた。だが、その代わりと言ってはアレだが、「A便利寺には一切頼るつもりがない」と自分の考えを事前に伝えていた。
「ありがとうね、ちゃんと教えてくれて」
「まあそりゃ、隠し通せるとも思ってなかったしね」
「確かにこれはキツいな」
こんな状況になってもあの人には頼らない。それが俺の答えだった。
「……じゃあこれで会議は終わりってことで、いいよね？」
「そうだね」
「長かったなあ〜いつになく」
「これ会議と言っていいのか？」
そんな俺の意思を尊重してくれて誰も彼女の名前を出さずに冷静に分析を始めて解決策を提案してくれた。こういう所が俺にとっても最高の仲間たちだ。気づけば俺も皆と一緒に笑っていた。
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通りすがり - 何度もコメントすみません。やっぱりこの小説好きです！いくらでも待つので､続きを期待してもいいですか？ (3月15日 16時) (
レス) @page34 id: c971cc1ca3 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 作品の世界観が素敵で一話目からノンストップで読み続けてしまいました。続きがとても気になります。また、更新されることを願っております。 (2022年9月17日 23時) (レス) @page34 id: 766ff61372 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます、、、！かなり更新ペースが遅いのですが、佳境に入ってまいりましたのでぜひ温かく読んでくださると嬉しいです！ありがとうございます！！ (2022年6月20日 12時) (レス) id: 05ff2dafb9 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - コメント失礼します！作品の雰囲気がめちゃくちゃに好きでずっと読んでいられました！もっと早くに出会いたかったです……一読者として応援しています (2022年6月14日 19時) (レス) @page33 id: 44a1cdd5e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 通りすがりさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！返信遅くなってしまってすみません！相変わらずマイペースすぎる更新ですが何卒よろしくお願いしますー！！！ (2022年3月1日 1時) (レス) @page28 id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作者ホームページ：
作成日時：2021年11月18日 15時
