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「、…！」
「Aっ！」
慣れない制服に走りにくいヒールのある革靴で走っていたせいで私は転んでしまった。それも思い切り。
なかなかに鈍い音がして振り返ったAが私の名前を呼ぶ。そして見なくても分かる、追いかけてくる足音。
「Aは早く行って！そのうち追いつくから！」
「…っ、うん、！待ってるから！」
Aは涙目で声が震えていた気がする。でも大丈夫。私だって嫌だから根性で逃げてやるよ。
「はい、捕まえた」
…けれど3人相手には適わなかった。立ち上がろうとした時には既に首根っこを掴まれてしまっていた。
「やめて、離して…！」
ヒリヒリと痛む膝、引き摺って歩くしかない足では走ることはもう出来ず、大声で抵抗するしか選択肢は残っていなかった。
「…もしもし？警察ですか？今ですねぇ、男3人が女子高生1人を連れていこうとしてるんですよ」
急に目の前に現れた背の高い男性が電話でこう話し出した。
「なんだてめぇ」
堂々と敵陣に乗り込んできたようなものなので攻撃的な言葉を吐かれる男性。
「あ、今から僕殴られそうです。早く来てください、えっと場所は…」
「っ、行くぞ！」
だが顔色を全く変えずに電話をし続けた結果、折れたのは男3人組の方でさっさと走り去っていった。
「…大丈夫？」
居なくなったのを確認してすぐに駆け寄ってきてくれた男性は近くで見るととてもカッコよかった。
「えっと…警察…」
「あぁ、あれ嘘」
え？と思わず声が出た。ニコッと笑うと歯が見える彼はただのホーム画面であるスマホを見せてくれて、一切通報している痕跡は見当たらなかった。
「じゃあ手当てしよっか」
驚いている私を置き去りにしてテキパキと行動していく。すぐ近くにあったコンビニに入って消毒液と大きめのガーゼを買ってくれて、言われるがままの私はベンチに座って手当てを受けた。
「…よし、じゃあ送ってくよ。家どっち？」
慌ててそれは悪いです、と断ったのだが腕を借りないと歩けないし危ないからと言われてしまいお言葉に甘えることにした。
「名前なんて言うの？」
「A、です」
2人で歩きながら少しだけ会話をした。なんとなく、いや多分、もうこの格好で出歩くことはないのだからフルネームを伝える必要は無いと思って名前だけ告げた。
「Aちゃんね。俺はナイスガイの須貝でーす」
明るく元気に名乗った須貝さんに心が休まって柔らかく微笑み返した。まさかこの一瞬で心を奪われてしまうなんて思わなかった。
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緋歌梨(プロフ) - ちゃるちゃるさん» いえいえ！ (2020年12月30日 22時) (
レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 緋歌梨さん» そうなんですね！知らなかったです。教えて下さりありがとうございます！ (2020年12月30日 22時) (レス) id: 6736db345f (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！みかんの白い筋は､アルベドって言うんですよ！ラテン語で“白さ”という意味です！このコメントはスルーしていただいても構いません｡お節介ですいません… (2020年12月29日 20時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃるちゃる | 作者ホームページ：
作成日時：2020年11月9日 17時
