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10月30日。須貝は分かりやすく落ち込んでいた。
勿論、自分が蒔いた種なのは分かってはいるが、元はと言えばあいつ等が余計なことを吹き込んだからだ。
「まぁまぁ須貝さん。まだ仲直りできるって」
「俺は確かめたかっただけなんだよ!なのに…あんなにムキになるなんて」
何かあるのかな。その言葉は怖くて口に出すことは出来なかった。
伊沢に慰められてもモヤモヤは全然晴れない。
(Aを失いたくなくて、信じてたわけじゃないけど否定してほしかったんだ)
「ねえ山森さん。これって俺が悪いんだよね」
「うーん…聞き方があまりよろしくなかったかな」
「そうかー…」
女性の心はいつまで経っても分からない。少しでも分かろうと、女性ライターである山森に相談した。
「好きだから聞いたのにな。ほぼ一緒に住んでいるし、何でも言い合えると思ったんだよ」
「好きなのはめちゃくちゃ伝わってるよ」
手を動かしながらも優しい言葉をかけてくれる福良。
良いメンバーに出会えて改めて嬉しさがこみ上げる。
.
連絡しても未読無視され、Aの家に言っても居留守を使われた。
途方に暮れながら帰宅する。
床に散らばっているカボチャが視界に入る。
これは誰が悪いわけでもない。
だが、どこかに責任を押し付けないと自分が自分でなくなってしまう。
(そうだ。カボチャのせいにしよう)
悪いのは僕らじゃない。愛のために身代わりになってくれ、と言い聞かせた。
なんとか仲直りをしてハロウィンの夜を迎えたい。
明日こそAに会おう。何としてでも。
気合を入れて須貝は眠りについた。
.
10月31日。
Aを今すぐにでも探しに行きたいところだったが、今日は撮影日のために半日も拘束された。
よりにもよって…
しかし、事前に決められていたことだったし、福良を怒らせると怖いので素直に撮影に参加した。
3本撮りの日だったが、2本目を撮り終えたタイミングで福良がもう帰っていいよと言った。
「え?3本目は?」
「今日の須貝さん調子悪いからクビ」
「え!?」
(俺そんなにダメダメだったのか…)
ドストレートな福良の言葉にかなりダメージを受ける須貝。
そこへ犬のようにひょこっと現れた渡辺・山本。
「あの、俺たちが代わりに出るんで、行ってきてください!」
「彼女さんと仲直りしてきてください!」
「え、お、おう…」
よく分からないまま、二人に押されながら指定された場所へと須貝は向かった。
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あやか(プロフ) - 初コメ失礼します。トクベツといい、身長差のない恋人といい、自分の推しの話が自担グループである嵐の曲でとてもテンションが上がりました!話も面白いですので、読んでいて楽しいです! (2021年2月17日 0時) (レス) id: 9ed625666a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 月夜星さん» ありがとうございます!曲の良さを消してしまわないように気を付けながら書いておりますので、そう言ってくださると嬉しいです! (2020年4月22日 17時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
月夜星(プロフ) - こんにちは!青空が違う!!めっちゃ好きな曲で、好きなQ.K.さんたちのお話で!めっちゃ楽しいです!これからも頑張ってください! (2020年4月21日 16時) (レス) id: 5e0ae6c178 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃるちゃる(プロフ) - 望さん» そうです!好きな人たちのコラボって嬉しいですよね。つい勝手に作ってしまいました!笑 (2020年4月17日 22時) (レス) id: d523c3bebb (このIDを非表示/違反報告)
望 - これ欅坂や日向坂の曲ですよね?好きな人が好きな曲で…読んでいて楽しいです^^* (2020年4月16日 8時) (レス) id: 2bba6c15ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃるちゃる | 作者ホームページ:
作成日時:2019年9月8日 14時