Short Story × Songs 【QK】

夏を感じる瞬間　ymmt ページ16

※高校生設定 苦手な方はUターンお願いします。



『海だぁー！！！！』

長く続いた1学期。進路に響くテストからの呪縛から解け、いよいよ夏休みに入った。

「Aうるさいんだけど！笑」

そう言ってケラケラ笑ってバカにしてくるコイツは、幼馴染で腐れ縁で好きな人である山本祥彰。

『だってついに夏休みだよ！？どれだけ待ってたと思ってんの！？』

「分かった分かった笑」

夏が好きで海が好きでたまらなく興奮している私を宥めて、あっちぃなーと海を見つめる祥彰。
うーわ、海と祥彰、似合いすぎなんだけど。じゃなくて！


『ねぇ！今年の水着！新しくしたんだよ！似合ってる！？』

せっかく新しいのを買って着て来たのに、ガンスルーされたから自分から聞いてしまった。

「あー、うん、いいんじゃない？」

チラッと私の方を見ただけで、すぐに目をそらしてボソッと呟いた。なんだそれ。

『どんだけ興味ないのよ…』


もう仕方ない、これは海に入って気を紛らわすしかない！
うぁーーー！と叫びながら海に入る。
砂浜は暑かったけれど、海に入っちゃえば冷たくて気持ちいい。

『祥彰ー！早くー！！！』

「俺の…も……くせに…」

『えー？何か言ったー？？』

「何にもないよー！」

一瞬ムッとした顔をしながら何か言ったように聞こえたが、遠いし沢山人いるし波の音で聞こえず。
まあすぐに笑って勢いよく海に入ってきたし、いっか。


「海気持ちいー！」

祥彰の笑顔は普通にやられる。早く、好きだって言わないと、あっという間に春は過ぎてしまったし。
このままだとあっという間に秋も冬も過ぎてしまう。
だけど、やっぱり友達以上恋人未満っていう今の関係は凄く楽しいもので。

『夏ってやっぱり最高ー！』

私がこの頃ずっと悩んでいるなんて、そんな素振り見せないで、私は今日もいい人を演じるんだ。

今年は受験。来年は卒業だから、絶対に……

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