きっと君の夢を見る (ページ9)

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「……ここにさ、イドンヒョクとしてますって書いたら？イドンヒョクと結婚しますって書こうよ」

「は？何言ってんのヘチャニ」

「ドンヒョクって呼んでよ」

「…ヘチャンでしょ」

手からアンケート用紙を投げ、体を起こしてAの方に顔を近づけた。

デビューをした日からAは一度もドンヒョクと呼ぶことはなかった。

それが分かりやすく、一線を引かれているようでもどかしい。

「な、なに」

驚いた顔をしたAの頬に触れ、そのまま親指で唇をなぞる。

マットのリップを塗った唇はサラサラしていた。

「俺さ…落ち着いた老後を過ごしたいわけ。そのパートナーになってくんない？」

「ヘチャン…」

「なんかさ、もう。疲れちゃったんだよね」

「………」

「俺だけ見て欲しいって思えば思うほど自分が醜く思えてくる。Aが好きだからってなんでも許しちゃう自分も嫌だ」

話しながらも指は唇をなぞり続ける。

ゆっくりと顔を近づければ、Aは長いまつ毛をはためかせながら瞬きをした。

その瞬間に唇を一瞬だけ触れさせた。

「苦しいよ。お前が好きで」

「ヘチャナ…」

「あー！！ほんと、疲れた。もう心とかがっさがさ」

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