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窓から差し込む光が、Aの輪郭をよりはっきりとうつす。
ああ、綺麗だ。終わりが来るなんて嘘みたいに。
「私がいなくなったらすぐに忘れてね」
「絶対に忘れない」
「他に好きな子作って幸せになってよ」
「、無理だよ」
「ジェヒョンはかっこいいからすぐに新しい彼女できそう」
「そんなのいらない」
「困るなあ」
「俺には、Aしかいないって何回も言ってんじゃん」
「そんなことないよ」
「なんで、そんなこと言うんだよ」
「忘れられることが辛いってよく言うじゃん」
「……違うの？」
「私は忘れられることよりも、ジェヒョンが悲しみの底に沈むことの方が辛いよ」
笑った顔がどうしても笑っているように見えなくて、胸の底が焦げ付くようにジリッと痛む。
俺の願いは叶うことなくどこかへ消えていく。
別れに慣れる日なんてきっと来ないんだと思う。
でも、きっとこの胸の痛みもいつか消える。
目まぐるしく過ぎる日々の中でだんだんAのことを思い出す日が減って、
いつか、いつになるか分からないけど
他の人を愛す日がきっと来るんだと思う。
そうやっていつか思い出になる。
だって一人で生きるには人生は長すぎる。
永遠なんてない。
もし神様が本当にいるのならAが病気になることなんてないだろう。
でも、今だけは願わせて。
往生際の悪い俺でいさせて。
ドラマや映画でよく見るような奇跡が起きるなら何度だって祈るよ。
なんだってする。何を捨てたっていいよ。
どうかこんなときばっかり神頼みだなんて言わないで。
………ねえ、お願い、死なないで。
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作者名：ロク | 作成日時：2022年12月25日 22時
