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オッパがやりたいことがたくさん叶うといいなと思う反面、寂しく思うのは私がまだ子供な証拠だ。
ドラマで共演したからといって仲良くなるわけでもないし、そういうことをオッパがするとは到底思えないのに、いつかぽいっと捨てられてしまう気がする。
今更始まりを悔やんでも仕方がないが、きちんと順番を踏まなかったせいなのかな。
「……．こうやって、」
「ん？」
「こうやって一緒に寝るのは、……私だけだよね？」
「馬鹿だね」
「馬鹿ってひどい！」
「Aがこんなに馬鹿だなんて知らなかった」
「ひどい！」
首筋に擦り寄ったジェヒョンオッパの吐息がかかってくすぐったい。身を捩るとぎゅうと力が込めれた。
「ここで寝るのが好きなんだよ」
「…なんで？」
「Aの匂いしかしないから」
安心する、そう呟いてまた目を閉じた。
いい加減信じてよってそんな風に言われた気がして、心がちりりと疼く。
馬鹿だね、ほんとにその通り。
分かっているのに、どうして確かめたくなるんだろう。
２人の気持ちは確かにそこにあるのに、たまにその輪郭をなぞって安心したくなる。
さっき感じた痛みを、きっと私はまたいつか思い出す。
でもそれを自分の中で消化できる日は必ず来る。
寝返りを打ってジェヒョンオッパの胸に入り込むと、分厚い胸板が暖かくてふいに目頭が熱くなった。
背中に回った手があやすようにぽんぽんと動いて、夢の中へ連れて行こうとする。
夢と現実の狭間でまどろんでいると、いつのまにか眠りに落ちたオッパの寝息が聞こえてきた。
その温もりを抱いて、目を閉じた。
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作者名：ロク | 作成日時：2022年12月25日 22時
