49.「そうじゃなくて」 ページ3
HC side
彼女とカフェに行き家まで送り届けて帰宅する、
ほぼルーティンのようになった帰り道。
我ながらいい彼氏をしていると思う。
ようやく季節は一歩だけ秋に近づいた気がする。
それでもまだ肌に纏わりつくような鬱陶しさは消えてないんだけども。
いつも静かなはずの公園の前を通り過ぎると聞きなれた笑い声が響く。
公園にあるバスケットコートの中には見慣れた二人組、マクヒョンとAがいた。
マクヒョンはともかく何でAが？と思ったところで
もうすぐ球技大会があることを思い出した。
バスケに出るアイがマクヒョンに教えてもらってるのか、ただ単にマクヒョンの息抜きに付き合ってるのか。
まあ、どっちでもいいか。
声をかけることは出来ず、でも見なかったことにして立ち去ることも出来なかった。
フェンス越しのここからじゃ2人が何を話しているのかまでは聞こえない。
それが俺たちに出来てしまった距離を表しているようで、心臓がぎゅうと掴まれたように痛む。
その痛みすらも見ないふりをしようとしたけど
どうしても出来なかった。
HC「マクヒョンこんなとこでサボってて勉強しなくていいの？」
MK「ドンヒョガ？なんでこんなとこにいんだよ」
HC「いや、帰り道だし」
MK「そうだろうけど……」
『…………」
HC「A、マクヒョンなんかに教わってたら上手くなんないよ」
MK「やー、お前なあ」
『、そんなことないよ』
HC「フォームおかしいじゃん」
『でも入ってるもん』
鈍感な2人には俺の葛藤は伝わっていなそうで、
小さく息を吐き出す。
ボールを持ったAの後ろから
「そうじゃなくて右手はこう」と触れた手は冷たくて、
そういえばAって末端冷え性だったな、と懐かしく思うことがやけに疎ましく感じた。
.
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ロク(プロフ) - ゆさん» 返信出来ておらず申し訳ありません…😭完結したので最後まで読んでいただけてたら嬉しいです🥺 (4月16日 3時) (
レス) id: c303f509b7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - いつも陰ながら楽しませていただいてます！今回のお話もたくさんキュンキュンしました~^^これからも応援しています！ (2023年3月16日 9時) (レス) id: a3a66f07ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロク | 作成日時：2022年7月18日 9時
