生徒会長は胃痛持ち。6【ツイステ】

212.王と匿秘組織 ページ7

アルタイル・アレクシードはS.T.Y.X.に対して思うことがある。

王として、だとか。生徒会長として、だとか。
そういうこと以前に。

ヒトに準ずる知能・意思・人格をもつ1人として、常識的かつ公序良俗を併せて考えた中で思うことがある。


通報を受けて彼らは出動した、それはまあいい。

だが。

その場にかけられた結界など阻むものを全て破壊、挙げ句基本的人権の保証されている罪のない相手へ、法律で定められた権限が無いにも拘わらず抵抗するからと言って暴行(電流を流すなど)の行為をするのはいかがなものか。


国に属していないから法律などない？

それは彼らが何にも立ち入らせず勝手に「ここ我らの領土！嘆きの島！」と自治権を主張しているだけであって、本来、少なくとも、そこは国際連合による調査無い今珊瑚の海に囲まれているのだから国名は「珊瑚の海」であるはずだ。

昔からそこを一族で支配していたとして、国際法がありイデアのように島外に出て世界の常識を得ることができる状態にある現在、然るべき調査を受け付けないのは保守的で非現代的だ。

彼らお得意の「革新」「近未来」と矛盾している。


ブロットの研究をしているから被検体として？

それは結構だが普通は連れ去る前に、正式な手順を踏んで面会して交渉して、ようやく来てもらうものだ。

怪物(ファントム)に成り果てたそれとは違い、相手に意思があるのだから。

何でもかんでも「時間の無駄」「ルール厳守は非効率的」は良くない。

物事には殆どの場合定められた経緯があるから存在する。

薔薇の彼の言葉を借りるとすれば、そもそもルール以前の常識的な問題だ。

ここまで思考をかき混ぜ、彼は胃を押さえて遠い目をした。


S.T.Y.X.、ただのテロリストな件について。


可哀想なアルタイルは精神安定代わりの胃薬を噛み砕いた。

仮にも同級生がテロリストの次期所長だなんて誰だって嫌。

今の体制にしているのが彼の両親で、イデアがそれに辟易していても、所長になってから彼の性格的に改革するとは思えない。

閑話休題(話を戻そう)。

何が言いたいかというと。

イデアの実家がテロリストかぶれというのは一先ず置いておいて、どうせ24時間後に帰ってくるのだし(なおそこに記憶の有無は問われないとする)、引っ掻き回しに行かなくて良いのではないかということだ。

だがこれはアルタイルが事情を知っているから言えることだし、彼がそう思ったとしてもどうせ誰かさんが行くのだが。

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