208.王と侵入者 ページ3
''それら''に気づいたのは、けたたましいアラートが学園中に響き渡ったときのことだった。
魔法士育成学校は、在籍生徒の才能を狙う輩や厄介な芽を摘んでおこうと企む犯罪者から、しばしば狙われる。
防犯対策として殆どの学校で、不可視の結界がドーム状に学園を覆っているのだ。
形成の為の魔力は学園の教師達を中心に、それから生徒達からごく少量ずつこっそり頂戴している。
ナイトレイブンカレッジを含む良家の子息・息女が通う名門校では、それに加えて様々な対策がとられていた。
そのうちの1つ。
結界をさらに覆うように、数百メートル程の所まで魔力を漂わせておく方法がある。
そうすることによって、何者かによって結界を破壊される前に察知、そして学園に通知できるのだ。
音響効果のプロフェッショナルによって製作された、「生物にとって最も不快さ、危機感を感じる音」。
学園にいる全ての人がすべからく飛び上がり、獣人は毛を逆立て、人魚は唸る。
急なそれに心臓の鼓動は速まって耳に届き、手先が震える。
『
生徒会長室で仕事をしていた我らが王は、アラートの初めの音が耳を打った瞬時にその豪奢な椅子から跳ね上がり、備え付けの放送マイクで学園中に声を通した。
2度繰り返してボタンを切り、窓の向こう、空からやってくる鈍色の侵入者を睨む。
何せ結界の外の魔力の持ち主はアルタイルだ。
魔力に触れた相手のスキルや厄介さの測定はお手のもの。
「アルタイル、奴ラハ''渡シ守''ヨ。」
『ああそう...ついに動いたか。』
ここ1年、彼らに対して後ろめたいことしか起こらなかったので。
むしろ何故もっと早くに来なかったのか不思議だ。
＿＿＿バキバキバキッ。
結界にひびが入る。
防魔素材で出来た無作法なオールが内に入って穴を拡げた。
『...正規の手段で入ってきてくれよ...』
切実な願いである。
強固に編み上げられていた結界を破られたこと、そしてそれを編み直さなければならないことへの憂鬱を、脳内にいる青い炎の彼にぶつけた。
先程はマニュアル通りの放送の文言で各寮長に通達したが、奇しくも渡し守にとって用があるのはほぼ寮長に対してなので、きっと侵入者との交戦がそこかしこで起こるだろう。
破壊されたものへの請求は、学園長とS.T.Y.X.、どちらにすべきだろうか。
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あお - 今日この作品を見つけて、一気に読みました！！とても面白かったです☺男主が魅力的でとても楽しくお話を読ませていただきました！お体に気をつけて更新頑張ってください！！ (3月30日 23時) (
レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
葱(プロフ) - 遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。更新をずっとお待ちしておりました！これからも無理のない範囲で更新頑張ってください！ (3月29日 1時) (レス) id: ec1bbf9e0f (このIDを非表示/違反報告)
弐番目の子(プロフ) - 遅れました！お誕生日おめでとうございます！㊗️成人!これからも応援しています！ (3月24日 15時) (レス) @page15 id: ba785ca851 (このIDを非表示/違反報告)
白 - お誕生日、おめでとうございます！！！！久々の更新でとても嬉しいです！これからも応援してます！！！！ (3月24日 9時) (レス) id: 009b20195a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきっき(プロフ) - 少し遅れましたが、お誕生日おめでとうございます！更新が見られて嬉しいです！ (3月24日 0時) (レス) @page15 id: e77387d96a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kagerouhp/
作成日時：2022年8月31日 0時
