【ツ.イ.ス.テ】俗に言う悪女と異世界に飛ばされたけど、とりあえず避難していい？

訪問ストレンジャー！ ページ7

突然この場に現れた変な見た目の不審者に興奮しまくる不巣ちゃん。

「学園長！」
『えっ、学園長…！？』
こんなやべー格好してる人がこの学校仕切ってんの！？大丈夫！？おねーさんが教育委員会に電話してあげよっか！？



「大丈夫ですよ」
私の心を読むかのように耳元でぼそりと呟く監督生くん。

「仕事はしませんし、元の世界に帰る方法も見つける気はありませんし、学校の有名度を上げるのに必死な人ですが、やるときゃやる人なんで」
……それは、ダメなやつでは？
私がやった方がまだ良さそうなくらいですけど…。


「あっ、貴女方が転移者ですね？」
『あ、は「はぁい♡」…』
どんだけタックルすれば気が済むんだろう。
前の世界でラガーマンでもやってたんか。痛いわ。
そんな私らを困惑した表情(半分隠れてるけど)で見つめる学園長。

「えーと、ゴホンッ、……自己紹介をお願いしてもいいですかね？」
『またですか、いいですけど』
「もちろんですぅ♡」

『…不巣ちゃんからどうぞ』
「当たり前よぉ！」
ギラッギラに目を輝かせる不巣ちゃんから逃げるように言葉を吐き出す。あの目は苦手だ。


「ええっとぉ、矢雌路 不巣っていいまぁす♡
よろしくお願いしますねクロウリーせんせ♡」
「えっ、アッ、ハイ」

……この人の名前も知ってんのか。まあ、見た目からして主要メンバーっぽいし、知ってるか。


「あの、そちらは…？」
『あ、はい…Aと言います』
よろしくお願いします、そう言って頭を軽く下げる。


学園長先生は私と不巣ちゃんの温度差でくしゃみしてたし、どっかの水槽でグッピーが死んだ気がするけどとりあえず今までで分かったことがある。


この子は例のゲーム箱推しで、尚且つ多分リアコだ。それも、ほぼ全員の。

そのゲームに逆ハーレムルートがあったのか、はたまた趣味なのか知らんけど、「ワタシだけはいいの！」理論なんだと思う。


ま、私は別に否定しないよ。
私を目の敵にしてThe嫌がらせみたいな事してこない限りは、ね。




ﾊﾞｯｼｬﾝ!
「あらあ、ごめんなさあい？手が滑っちゃってえ〜」
「Aさん！」
突然、冷水を頭からぶっかけられた。
…どうやら、彼女は魔法が使えるらしい。
転生特典みたいな？うわ、うらやま。


濡れて張り付いた前髪を、乱雑にかきあげる。
心配して駆け寄ってくれた監督生くんに笑みを返し、勝ち誇った顔でペンを回す不巣ちゃんを睨みつけた。



……前言撤回。

潰す。



てか、フラグ回収はっや。

困惑プロブレム！→←彼女は。

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