【36匹目】 ページ39
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「ねぇ…っ、デイヴィスっ…それ…っっ」
目の前で彼女は笑いを堪えながら俺を見ている
その尻尾は楽しそうにゆらゆらと揺れていた
昨日は時間の合間を縫ってAを元に戻す方法を探していたのだが、結局その解決方法は見つからず一日を終えた
そこまでは普通だった
今朝俺が起きて見れば笑いをこらえている彼女
その変な様子と自分の身体に違和感を覚えた
頭を触れば知らない感触
鏡を覗けば俺の頭にもダルメシアンのような耳が生えていた
「…なんだこれは」
「可愛いね、似合ってるよ」
後ろから彼女が耳を触りながら言ってくる
そのなんとも言えないくすぐったさに頭を振った
「尻尾まで生えちゃって、おそろいだね」
俺が同じ目にあっているのが面白いのか、昨日とうって変わって彼女はやけに上機嫌だ
「…すぐに元に戻す方法を探す」
「私も何か分かったら伝えるね」
「あぁ、もしもどこかの駄犬のユニーク魔法だった場合には、しっかり躾をしてやらないとな」
テシテシと尻尾が布団を叩く
それを見て彼女はまたケラケラと笑っていた
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「Aさんその耳まだ治ってないの?」
「デイヴィスがいま元に戻る方法を探してるところ」
昼食を頼みにきたトラッポラくんの問いに笑顔で応えると、彼は授業で見たデイヴィスの姿を思い出したのか吹き出すように笑っていた
「いつも躾だなんだの言ってるクルーウェル先生に犬の耳が生えてるのほんとに傑作だったわ。笑いを堪えるので精一杯」
「それ、彼に聞かれたらきっと怒られるだろうから気をつけてね」
大丈夫だって、と笑うトラッポラくん
その隣から早くしろ、と青い髪の子が声をかけていた
「まだそんな話してないだろ」
「後ろがつかえているんだ」
その子は目元にスペードのマークが描かれていて、見ていた感じとても真面目そうな子だった
「お友達?」
私がそう聞けば、ピシリと彼は立ち直す
「僕はデュース・スペードです。よろしくお願いします。」
礼儀正しく礼をしながら彼はそう名乗った
ほんとに真面目そうな子だ、トラッポラくんとは真逆な性格をしてそうだけど、見た感じとても仲が良さそうだった
「A・クルーウェルよ。よろしくね」
「…ほんとにクルーウェル先生の奥さんなのか、」
「意外だった?私みたいな性格の人と結婚してるなんて」
「いや…っ!そんなことは」
「んーん、いいの。よく言われることだし」
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あおい(プロフ) - 初コメ失礼します。リクエストになるのですが、二人が大喧嘩をしてしまう様子を見たいです!よろしくお願いします。 (2020年8月10日 0時) (レス) id: 34a265efc7 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 素敵なお話ありがとうございました!! (2020年8月9日 18時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - んんん、耳と尻尾が生えたクルーウェル夫婦最高でした…!まじでごちそうさまでした (2020年8月5日 20時) (レス) id: a494b1d180 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 最高過ぎます!!リクエストになるのですが、、、魔法の力を高めたい夢主ちゃんはマレウスとリリアに教わり仲良くなる様子が見たいです!ついでにクルーウェル先生とリリアの絡みがあれば嬉しいです。笑 (2020年8月3日 17時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお - 最高でしたありがとうございました (2020年8月3日 15時) (レス) id: ec620c1410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルイ x他1人 | 作成日時:2020年7月28日 19時