【9匹目】 ページ11
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「ぶなぁぁぁぁ!!!!」
食堂に大きな声が響きわたった
それと同時に勢いよく風が吹き荒れる
「なに…!?」
「グリムー!!」
視界に入ったのは天井付近を飛び回る箒
それに乗っているのは黒い猫だった
魔力が暴走しているのかしら…?
「何してんだよ監督生!」
「グリムが勝手に飛んでいっちゃったの!」
「どーすんだよあれ!」
今はお昼時、食堂には生徒たちが集まっているし、なによりシャンデリアが落ちてきたら大怪我をしてしまう
「ごめんなさい、少しレジをお任せしてもいいですか?」
結び目にさしていた髪飾りをひと振りして風魔法を使い、トンと跳んで箒の柄を掴みその上に乗る
「落ち着いて…!大丈夫だから」
猫を抱き上げて箒に語りかける
混乱しているのかぐるぐると弧を描いて飛び回った
壁にぶつかりそうなところを無理やり軌道を変える、その先に見えたのは輝かしく光っているシャンデリア
「…っ!!」
止まって…!!!
力強く柄を掴んで魔力を込める
すると箒はキキーっとブレーキをかけるように立ち止まり、その場に降り立った
「…はぁっ」
危なかった
「グリム!!」
腕の中で猫はくるくると目を回していた
心配そうな顔をする監督生?さんに彼を渡す
「大きな魔力に驚いちゃったのね」
「Aさん怪我ない?」
「えぇ、大丈夫よ。」
少し魔力を多く使っちゃったけど、これくらいなら魔法石も黒ずんでいないし大丈夫かな…?
「何事だ」
騒ぎが聞こえたのか、デイヴィスが食堂内に入ってきていた
「せ、先生…」
「トラッポラ。これはなんの騒ぎだ、説明しろ」
「えぇっとですね…」
「箒が大きな魔力に驚いて暴走しちゃったんですよ」
「…A、魔力を使ったな」
「箒を止めるのに少しだけですよ」
「いーや、少しじゃないな」
この箒は誰が?というデイヴィスの問いにトラッポラくんは猫を指さす
「全く躾がなってないな、お前もだ監督生。手綱はしっかり握っていろ」
「すいません…」
「まぁ、怪我人は出ませんでしたし彼らも反省してますから…ね?」
早く一緒にご飯食べましょ?と言えば、彼は暫く沈黙したあとに大きくため息をつく
「今回だけだ、次はないからな」
「は、はい…」
「Aはあまり魔力を使いすぎないように」
「はーい」
何も罰がなかった彼らは、Aのことを心から女神だと思ったらしい
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あおい(プロフ) - 初コメ失礼します。リクエストになるのですが、二人が大喧嘩をしてしまう様子を見たいです!よろしくお願いします。 (2020年8月10日 0時) (レス) id: 34a265efc7 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 素敵なお話ありがとうございました!! (2020年8月9日 18時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - んんん、耳と尻尾が生えたクルーウェル夫婦最高でした…!まじでごちそうさまでした (2020年8月5日 20時) (レス) id: a494b1d180 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - 最高過ぎます!!リクエストになるのですが、、、魔法の力を高めたい夢主ちゃんはマレウスとリリアに教わり仲良くなる様子が見たいです!ついでにクルーウェル先生とリリアの絡みがあれば嬉しいです。笑 (2020年8月3日 17時) (レス) id: 25d1c36d01 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお - 最高でしたありがとうございました (2020年8月3日 15時) (レス) id: ec620c1410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルイ x他1人 | 作成日時:2020年7月28日 19時