【ツイステ】ヴィランじゃないので帰らせてください。

対極ツインズ！2 ページ40

「なるほど……
ポムフィオーレ寮に選ばれたのですね。」

何となくわかります。とジェイドくんは言う。


『帰ってきて直ぐに伝えようと思ったのですが、
私自身まだ決心できていないというか……。
このままオクタヴィネルでも良いかなとか
思ったりもして。』


中庭で色々考えたのである。

ヴィルさんとの衝突もあり
ポムフィオーレ寮には正直行きたくない。


下手な発言をして
更に関係を悪化させたくない。




でも、こうして避けていても
溝が深まるばかり。




考えれば考えるほど
私はどう立ち回るべきなのか
分からなくなってしまう。





「でしたら、1週間。

1週間だけポムフィオーレ寮に
お世話になられてはどうですか？」


ジェイドくん曰く、


ポムフィオーレ寮とオクタヴィネル寮

2つの寮を自分の目で比較して
どちらがより自分に相応しいかを
見分ける作戦だ。



『その案、良いかもしれませんね。』

「アズールには僕から言っておきますよ。」


仕事が出来る男はやっぱ違うわ。



あとは、ポムフィオーレ寮の寮長……
ヴィルさんの許しが貰えればだけど。


少し気がかりな事がある。




『……今朝はあれだけ反対していたのに
いざとなったら、止めることなく
敵に首を差し出すんですね。』



「おや。……悲しいのですか？
それとも、薄情者だと怒っていますか？」


わざわざ遠回しで言ったのに、
そうやって意図的に相手の口から
答えを聞き出そうとするところ。

ズルいと思う。


『両方です。』


「ふふ。愛らしいお方ですね。」



ニコニコと目を細めて笑うジェイドくん。



こいつ〜〜〜〜！！！！



なんでそんな嬉しそうなの？！！！
サイコパスか？！


「あなたを信頼しているからこその策ですよ。
そうでなければ、こんなに可愛いあなたを
わざわざ敵の懐に入れたりしません。」


いつの間にか隣にいたジェイドくんは
私の両手を掴み、左右非対称の瞳で私を捉える。


『ﾋﾟｪ……ち、かい…です……。』


その瞳には動揺した私が映し出された。



「近くにいないと、
Aさんを感じられませんから。」


それに、目が悪いので。

と更に顔を近づけるジェイドくん。



ウツボですもんね！！！知ってます！！
けどそうじゃないんだよ！！！

双子そろって距離感バグってんの？！！




「何処へ行っても
……あなたは必ずこちらに戻ってくる。」








"信じています"なんて

私の心を縛るには
十分すぎる重さだった。

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