たまには逆も良いだろ?5〈トレイ・クローバー生誕お祝いストーリー〉 ページ33
「Aから食べさせてくれないのか?」
所謂、あーん。とかいうやつだ。
『え、あ……その……。』
イケボを耳の近くで囁かれ
私の頭はショート寸前だ。
『と、とりあえず離してくださいぃ!!』
ケーキが落ちてしまったら、元も子もない。
「悪い悪い。
随分、ケイトと仲良いみたいで
ちょっと嫉妬したというか。
イタズラしたくなっただけだ。」
なんて照れながら言うトレイ先輩。
は、破壊力……。
「自分で食べるから気にするな。」
ありがとう。と皿を受け取るトレイ先輩。
『待ってください、トレイ先輩!!
嫌とは言ってませんよ。』
「お、おぅ……。」
これはチャンスなのでは?
相手に疑わせず
そのまま口の中に入れることが出来る。
「……なるほどね。」
ケイト先輩も勘づいたようで
納得した顔してこちらを見ていた。
「オレも、Aにあーんされてぇ。」
「ハイハイ、エースちゃん。
今日の主役はトレイくんだからね!」
「分かってますって!」
周りに見られているせいか
なんか緊張する。
「……やっぱやめとくか?」
カタカタと少し震える手に
気付いたトレイ先輩に心配される。
『……。』
私は首を横に振り、
持っていたケーキを1口サイズに
切り分けていく。
「大丈夫だよ、Aちゃん。気楽にね!」
ケイト先輩も笑顔で、大丈夫だと言ってくれた。
そうだよ。
こんな機会滅多に無いよ。
いつも妄想で
あーんしたりしてるじゃないか!!
それを実現できる日が来たんだよ、今。
『トレイ先輩、こっち向いてください。』
私は決心して、
フォークにケーキを刺した。
そして、そのまま疑わせずに
口元へ持っていく。
『……あーん。』
「ん。」
後はトレイ先輩の反応を見るだけ。
サプライズの成功を祈るのと同時に
慣れない行動をした私の心臓は
今、凄くドキドキしている。
「ははっ……参ったな。」
トレイ先輩は可笑しそうに
眉を下げて笑った。
「どうしたんですか?トレイ先輩。」
気になったデュースが問いかける。
「食べれば分かるぞ。
な?A。ケイト。」
トレイ先輩は、
これはやられた。と私達を見て言った。
『はい。』
「ふふっ。サプライズ成功って感じかな!」
サプライズが成功した私達は
緊張が解け、いつもの調子で
いーえい☆とハイタッチを交わした。
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紅葉(プロフ) - わかめさん» HD(激しく同意)です…! (2020年11月4日 19時) (レス) id: 12a91dd005 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 紅葉さん» ほんと、バグってますよね笑そこがまた、好きなんですけどね! (2020年11月4日 8時) (レス) id: b561aca817 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 距離感バグってる…確かに← (2020年10月31日 18時) (レス) id: 12a91dd005 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉さん初めまして!あ、バレました?((自分オクタ推しなもので……つい贔屓してしまいます/(^o^)\ (2020年10月28日 23時) (レス) id: b561aca817 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - イムム・ルリクリルさん» イムム・ルリクリルさん初めまして!か、神作ですと!?光栄すぎるお言葉とても眩しいです(/ω\)更新頑張らせていただきます……! (2020年10月28日 23時) (レス) id: b561aca817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2020年10月21日 22時