【twst】我らがクソ監督生【男主】

5-1.女王の施し ページ27

◇


「ふな゛あぁぁぁ！！ズルいんだゾ！！！」
「痛い…いたい、いたたた…腹の上で飛び跳ねるな…」

　ベッドに横になる監督生の腹の上で、ピョンピョン飛び跳ねるグリムを上から押さえつける。無理矢理抑えつけられたグリムは、不完全燃焼の状態で止められたのが気に食わないのか、未だにジタバタと暴れていた。

「ズルい！ズルいんだゾ！！なんで、天才魔導士のこのグリム様が学園中から恐れられてないのに、口が悪いだけの、ヒョロヒョロモヤシのお前がなんでこんなに噂になってるんだゾ！！」
「ただの悪口」





　今回の出来事は、幸い怪我人は居なかったことと、関係者は全員魔法を使っての私闘と分かって見に来ていた事から、首謀者である監督生に謹慎処分は下らなかった。

　謹慎は下らなかったんだけれども…！！


　思ってもいないことを永遠と書かされた反省文の量、それは論文か！？と思うくらいの多さだった。
　加えて、卒業研究でもやらされているのか疑うほどのクオリティを求められた謎のレポート。

　結局、それらに丸1週間かかった上に、普段の授業の課題もあるため、これだったら謹慎処分の方が楽だったかもしれないと思うほどの過酷さだった。

　しかも、一週間はラギー先輩に飯たかられ続けたし。

　財布も空だし、体力もゼロ。やっと迎えた週末、明日は休みだとベッドに大の字になった所で、グリムが腹の上で駄々こねだしたもんだから、力任せにグリムを抑え込んだのが悪かったのか。



　藻掻くグリムの動きがぴた、と止まり、ハッと監督生の顔を覗き込んだ。

「…！そうなんだゾ！お前、レオナに勝ったんだろ？」
「勝ってない。勝った人はこんな財布すっからかんにされない」
「ということは、なんだゾ…。お前を倒せば、レオナはオレ様より弱いし、オレ様は学園一強い魔導士ってことになるんだゾ！？」
「人の話、聞いちゃいねーな」

「ふな゛ーーッッ！！離すんだゾ！オレ様は、学園一になる！！」

「ッ！？！？！？あッッっつ！！！！！！！流石に死ぬ！！！！！」


　コイツ、思っクソ俺に向かって火吐きやがった！！


◇

5-2→←4章補足

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す