三十路監督生は平和主義なので、全力でオバブロフラグを叩き折ることにした。【ツイステ】

2 事故 ページ3

｢いやー本当に有意義な時間だったな〜笑 お兄ちゃんのスマホにツイステのインストール出来たし、推しについて語れたし｣





ニコニコと上機嫌で少し前を歩く妹に、結局日本史全く覚えなかったじゃないか！と怒鳴りたいが我慢する。


今は夜遅くなってしまったので、実家まで妹を送っている途中だ。

僕の家と実家はそう離れていないため、徒歩である。





『…もし僕が監督生だったらレオナとは関わりたくないな。1番苦手なタイプ。あれが生徒って…先生方に同情する』

｢えぇ！？なんで！？本物の王子様だよ！？イケメンだよ！？もふもふだよ！？アニマルセラピーだよ！？｣

『……アニマルセラピーさせてくれるようなやつに見えないけど？』

｢んなことないもん！ネコ科だから喉撫でたらきっと｣




少し前を歩いていた妹は、怒ったようにこちらを振り向きながら歩いている。


それと同時に交差点に差し掛かり、信号無視をしたトラックがこっちに向かって突っ込んでくる。





『ゆき！！！』

｢へ…？｣





それは一瞬だった。


ドン、と跳ね上げられた僕の身体は軽く宙に浮いて、地面に頭から叩き付けられた。

頭から叩き付けられたからか、思考が上手く回らない。





｢おに…いちゃん！？お兄ちゃん！お兄ちゃん！！｣

｢きゅ、救急車…！！｣





大泣きで僕の体を揺する妹、そして、トラックの運転手であろう男の人は、慌てた様子で電話をかけている。




あぁ、体が痛い。
死ぬほど痛い。

こんなテンプレな交通事故ってある？


どこかの異世界転生物に出てきそうな事故って……。







僕は意識を手放した。

3 異世界転生→←1 気弱な兄と強気な妹

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