三十路監督生は平和主義なので、全力でオバブロフラグを叩き折ることにした。【ツイステ】

15 ねこたんもふもふ ページ16

ｼﾞｪｲﾄﾞ「僕も一緒に探さなくて大丈夫ですか？」

『うん、大丈夫。それに君は授業があるでしょう？学生の本分は勉強だからね。しっかり勉強しておいで』

ｼﾞｪｲﾄﾞ「…分かりました。ではまた」





渋々、といった様子で引き下がったジェイドを見送り、僕はまたグリム探しを開始する。

今日のところはジェイドは自分にとって害のあるような人物ではなかった。
…ゆきちゃんの心配しすぎなのかな。


そう思いながら中庭を抜けて人気の少ない日陰になっている場所に来る。


こういう過ごしやすいところで昼寝でもしてるんじゃ…。





「もふもふねこたぁぁん、最高すぎる…至福のひと時」




ゆっくり建物の角から顔を出して目が点になる。

派手な長い青い髪の生徒？が、猫のお腹に顔をうずめて匂いを嗅いでいるのだ。




その猫がグリムではないのが唯一の救いである。
グリムだったら、確実に不機嫌になり火を吹かれていたに違いない。

すーはーすーはーと死ぬほど嗅いでいる。



「はぁぁぁ、最高。ねこたんしか勝たん。こんなところ誰かに見られたら死ぬ…………は？」



ばちっと、目が合ってしまった。
最悪である。



『……猫、いいよね。僕も好きだよ、うん』

「ひやぁぁぁぁぁぁっ」



びっくりしてひっくり返ったその子は、長い足をあげて後ろに倒れ込んだ。
僕は慌ててその子に駆け寄り手を差し伸べた。




『だ、大丈夫？』

「大丈夫くないよ、ありえない見られてた。最悪、穴があったら入りたい」

『…えーっと』



その子の金色の瞳が恥ずかしそうに伏せられた。

何か見たことあるような気がするから、きっとこの子は主要キャラなんだろう。



『大きめの黒猫、見てないかな？耳から君みたいな綺麗な青い色の炎出してるんだけど…』

「見てない……てか、僕の髪が綺麗…？君の目はおかしいんじゃない…こんな気味の悪い色…」

『視力は悪いけど、眼鏡のおかげで君のことはよく見えてるよ？』

「…そう言うことじゃないんだけど」




僕はふとその子の唇も真っ青だということに気が付く。
つい、手を伸ばしてしまい、ふに、とその子の唇に触れる。




「ななななにして…っ！！」

『この唇の色自前なんだ…青いからてっきり口紅かなと』

「だからって普通初対面の相手の…しかも男の唇触る！？頭おかしいんじゃないの！？」

『ご、ごめんね』




物凄い剣幕で怒られた。

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