三十路監督生は平和主義なので、全力でオバブロフラグを叩き折ることにした。【ツイステ】

14 やばい方 ページ15

ｼﾞｪｲﾄﾞ「…にしても32には見えませんね。人間の中には幼い顔つきの大人もいるとは聞きましたが…ここまでとは」

『………そんなに近くで見ないでほしいな。最近小じわが増えてきてて』





僕の顔を至近距離で興味津々に見ているジェイドから視線を逸らしながら、使い終わった救急箱を元の位置に直す。


保健室についたものの、保険医の先生は出払っていた。


なので簡易的ではあるが軽く消毒をお互いにしあい、僕の額にはガーゼが張られている。
ジェイドは口の中を切っただけですから、と口をゆすいで終わっていた。




ｼﾞｪｲﾄﾞ「申し遅れました。僕はジェイド・リーチです。あなたは？」

『僕は蓮見A。あーえっと、A・ハスミ』

ｼﾞｪｲﾄﾞ「Aさん…名前まで不思議な響きなのですね」

『そうかな…？割と僕がいた国ではありきたりな名前なんだけどな…』




そう言いながらジェイドを見る。

確かジェイドって双子なんだよな…。相方はフロイドだったか…？

ん？待てよ。
リーチ兄弟のヤバイ方って…ジェイドだった気が。



《ニコニコしてるけど、ジェイドは絶対にフロイドよりもやばいよ！！笑顔で人殺しちゃいそうな物騒な奴よ！！イケメンなんだけどね！》



という妹の声がこだまする。

え？やばい方に普通に怪我を負わせてしまったんだが？




『じぇ、ジェイド、口の中痛い？』

ｼﾞｪｲﾄﾞ「え？まぁ…少しピリつくくらいですかね…そんなに支障は」

『ほんっとにごめんね！僕にできることあれば何でもするよ』

ｼﾞｪｲﾄﾞ「………なんでも、ですか？」

『ぅえ…あ、うん………物騒なこと以外なら何でも』




にやり、とギザギザの歯を見せながら笑ったジェイドに、嫌な予感がしながら目線を外す。




ｼﾞｪｲﾄﾞ「では、考えておきますね」

『う、うん』




にっこり、満面の笑みでそう言われた。


……………早まったか？

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