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E.F
暫く二人は呆然と見つめ合っていたけれど、急激に増えた人混みに監督生さんが巻き込まれてしまった。
人混みの中から手だけを出して、監督生さんがエースくんから離れて行く。エースくんは慌てて手を伸ばして、その手を取った。
監督生さんを人混みから引っ張り出すと、監督生さんは『ありがとう』と笑う。エースくんは安心したように笑って、二人は手を繋いだまま観客を集めている舞台へ目を向けた。
……あー可愛い。監督生さんだって知ってても可愛い。エースくんも、いつもの生意気さはなりをひそめてるし。応援したくなる恋じゃん。
「さぁさぁ恋する少年少女！今日くらいは好きに騒げ！」
そう舞台にいた人が叫ぶ。恐らく有名な人なのだろう。観客がわーっと盛り上がった。
不意にエースくんが監督生さんの手を取って歩き出す。二人は体育館を出て、色んなクラスを見て回りだした。
キラキラした目でお化け屋敷に誘う監督生さんと、顔を青ざめさせて震えるエースくん。射的では監督生さんの欲しがった景品を、エースくんが一発で取ったり。二人して演劇喫茶で照れながら接客したり。
たった数分の映像で、めちゃくちゃキュンキュンさせられてしまった。二人とも演技上手すぎでしょ、こんなの完全にお互い好きじゃん。
『……終わっちゃうの寂しいな』
そう呟きながら、監督生さんが教室の飾りを片付ける。外はもう暗くなっていて、お月様が浮かんでいた。
突然、教室の扉がガラリと開く。監督生さんが驚いて振り返ると、エースくんが扉の前に立っていた。どうやら鍵を閉めにきたらしい。
エースくんは鍵を弄びながら「帰ろ？」と首を傾げる。後ろを振り向いたエースくんの服の裾を、監督生さんが掴んだ。
エースくんが目を見開いて、動きを止める。「どうしたの？」と優しい声でエースくんが監督生さんを見た。
監督生さんは一瞬目を逸らして、それからもう一度エースくんを見つめる。ぎゅっと握った手が、微かに震えていた。……頑張れ。
思わず僕の手にも力がこもってしまう。少しの沈黙の後、監督生さんが気持ちを伝える。
『エースくんが好き』
「……ぇ」
エースくんの口から、ぼろりと言葉が漏れる。それは戸惑いを含むと同時に、どこか嬉しそうな響きを持っていた。
ぼっ、とエースくんの顔が首元まで赤くなる。エースくんは口元を手で押さえて、また「えっ」と声を漏らした。
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Karinto(プロフ) - 更新されていらっしゃる！？！？！？！？ありがとうございますおかえりなさい更新頑張って下さいずっと応援してますｯｯｯ！！ (2022年2月7日 8時) (
レス) @page45 id: 591b71b5c2 (このIDを非表示/違反報告)
尊死(プロフ) - あの毎度神回を作るのをやめて欲しい(好きぃ)あとリクエストを今好きになる(虎太郎ver.)をリドルパイセンでおねしゃす。 (2022年2月5日 16時) (レス) @page37 id: a66196b55f (このIDを非表示/違反報告)
幸(プロフ) - 本当に素晴らしいと思います！これからも楽しみにしています、頑張ってください！！ (2022年2月3日 1時) (レス) id: c4230c4db2 (このIDを非表示/違反報告)
胡麻味噌 - リクエスト失礼いたします。アズールでエンジェルフィッシュをお願いします！王子役は監督生で！オバブロの際に垣間見えたメンヘラみがぴったし合うと思うんです！無理のない程度に頑張ってください！！！ (2022年1月16日 1時) (レス) id: 063c67640b (このIDを非表示/違反報告)
カリナと咲(プロフ) - いつも楽しく見させて頂いて下ります。解釈一致するものが多すぎて尊さで毎回死にかけて下ります。ありがとうございます。頑張って下さい。 (2022年1月14日 22時) (レス) @page44 id: 5c46ccd9a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チーズ鍋 | 作成日時：2021年11月23日 22時
