理系女子の活動日誌 2【QK】

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結構それからも話し込んで、いつの間にかお兄ちゃんも輪に入って動画のメンツで話していた。お兄ちゃんは入ってきた瞬間、じゃあこうちゃんは彼女いたの？なんてぶっこんできて私はちょっと背筋がピンとしてしまった。こういう時のお兄ちゃんはぐるりぐるりとまわって私の話を聞きたい時が多い。別に普通に聞かれたらちゃんと話すのに、なんでこんな遠まわしな話し方をするんだろ。



そりゃ彼女はいましたけど、とこうくんがいうと伊沢さんとお兄ちゃんが小さく盛り上がる。どんな子？とかどれくらい？とかいつから？とか、こういう所は年相応というか、少し子供っぽくて可愛いと思うけど。いつまで経っても男は子供なんだよ、なんてけんけんさんが言ってたことを思い出す。


｢高1の冬から1年と半年くらいですかね、俺の趣味を理解してくれる、ちょっと天然な子でした｣


少し抜けてておバカっぽい、なんてこうくんがいうとお兄ちゃんはちょっとこうちゃんと似てんじゃん！なんて言ったので笑ってしまった。川上さんはいなかったんですか、と自分の話を切り上げるかのようにこうくんがたくろーさんを尋ねると、そういうのは女の子に聞いた方が盛り上がるんやない、と私にダイレクトパスを渡してきた。


伊沢さんとお兄ちゃんの目から私が逃げれるはずもなく、しぶしぶ口を開く。ていうかお兄ちゃんには多少話したことあった気がするんだけど。


｢2年の夏から3年の春まで、8ヶ月くらいですかね？金剛クラスの時に仲良くなった子とお付き合いしたんですけど、私より頭いいのに嫌味がない優しい優しい人でした｣


だからこそ、好きだと勘違いしたのかもしれないけど、と続く言葉は心に留めて、仲良かったから恋愛感情なのかなって思って付き合い始めたんですけど、多分私たちには友達関係の方がよかったんでしょうねー、と笑う。彼とは今でもたまに連絡を取り合う仲で、気まずさなんてこれっぽっちもない。伊沢さんにはもっと付き合ってる人いるのかと思った、なんて言われたけど、男子が多いからと言って彼氏が直ぐにできる訳では無いんです、と弁明した。


結局そのあとお兄ちゃんのアイドルに目覚めた話をして、解散した。たくろーさんには終始会話を躱されてなんの話も聞けなかったので今度はこうくんと追い詰めようね、なんて2人で話した。聞こえていたみたいで絶対言わへんからな、なんて返されたけど私たちは聞こえなかったことにしておこうか。

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