理系女子の活動日誌 2【QK】

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サブチャンネルの撮影をするということで、呼ばれたのは私とこうくんだった。いわゆる末っ子コンビと呼ばれる私たちが何をするのかととある動画のリベンジだった。


｢リベンジっていっても私そんな動画でてないですよね｣


そう尋ねるとけんけんさんは、リベンジするのはこうちゃんだけで、Aちゃんは初挑戦になるかな？と言った。


｢東大生は45秒×何回で45秒を完璧に踊れるようになるのかー！｣


ぱちぱちと1人虚しく拍手をするけんけんさん。絶望した顔をするこうくん、その顔に反して私は少し顔を輝かせた。私、これやりたかったし見てて面白かったからこの動画に出れるだけで私は嬉しいのです。ていうか、×何回ということは、踊れるようになるまでずっとぶっ通しか...。それはちょっときついかも。


｢45秒シリーズから結構経ったのでこうちゃんは覚えていないだろう、と仮定して2人とも今から見るのが1回目とします！じゃあ流すねー｣


その途端に音楽が流れ出す。軽快なリズムに合わせて画面の中のゆきりぬさんが踊り出す。スタイルいいし綺麗だなー、ゆきりぬさん。そんなことを覚えながら、手振りだけ真似していく。


ダンスが好きな私は1回目でも結構踊れた方だと思う。それこそお兄ちゃんと同じくらいには。けんけんさんにさすが兄妹、なんて言われて少しだけ嬉しかったりして。


｢駿貴くんと一緒にオタ芸してたりしてますから！ていうか私こうくんに45秒企画サブでしたい！って実は話したことあって。こうくんは覚えてないかもなんですけど、その会話をしてこの結果とは思わなかった｣


まさか現実になると思わないじゃん...なんて言ってるのは前の時以上にひどい踊りが動画になることに決定してしまったこうくん。もはや踊っていなかったかもしれない、と言えるくらいには酷い惨状だった。


2回目も先程と同じように身振り手振りだけ一緒にする。細かい踊りだけ覚えていたら、あとからメインの振り付けが流れで出てくるから、こっちの方が効率いい。私はもうこの時点であと3回以内には完璧に踊れる自信があった。


｢AちゃんもうほぼOKじゃん！さすが！｣


｢須貝兄妹の名に傷がついたらだめなんで｣


ふふ、と笑うとその余裕を俺に分けてよ！と隣でこうくんがきゃんきゃんと吠える。こうくんはやっと前と同じ程度に踊れるようになっていて、このままじゃ50回かかるんじゃね、なんて小さく呟いていた。

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